第56話
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のもみ消しに備えてるっつーわけか。んで、もう一つはなんだよ?」
「――――――そちらは機密事項だ。君たちは”一切”気にしなくていい。」
「ハ?」
「えと…………?」
「残念ながらそちらについては私もまったく知らないくらいだ。総督閣下に探りを入れたら”暗に牽制”されたくらいでね。」
アーロンの質問に対して答えたキンケイドの意味ありげな答えにアーロンはフェリと共に困惑の表情を浮かべ、シェリド公太子は意味ありげな笑みを浮かべてキンケイドに視線を向けた。
「恐れ入ります――――――という訳でなおさら君達が知る必要はない。ただ単に、GIDの関与する理由が”複数”あると理解してくれれば結構だ。」
「……………………」
「ハン…………?胡散臭ぇが話が進まねえから続けろや。」
キンケイドの要請に対してヴァンが真剣な表情で黙っている中、アーロンは話を続けるように促した。
「ああ――――――話を戻すが”ザイファ規格”にはプロジェクト出資状況という事情もあってね。それについては、そちらの所長やSC殿に説明してもらうとしようか?」
「え…………」
「と、いいますと…………?」
キンケイドがヴァンとリゼットに説明を促すとフェリとアニエスはそれぞれ不思議そうな表情を浮かべた。
「ふう、こっちに振るんじゃねーよ。――――――”ザイファ規格”はヴェルヌ社が独自に開発した第六世代として知られてるが…………立ち上げ時に、とある”出資元”が莫大な投資をしたのがその筋じゃ有名でな。その出資元っつーのが――――――」
「――――――”ヴァリス投資銀行”。わたくしの”出向元”であるマルドゥック社の筆頭株主でもありますね。」
「そ、そうだったんですか…………」
「ヴァリス…………最近ちょくちょく聞くが…………」
「ヴァリスって…………え、あの”ヴァリス市国”ですか…………?」
ヴァンとリゼットの説明を聞いたアニエスは驚き、アーロンが考え込んでいる中フェリは戸惑いの表情で自身が知る地名を口にした。
「ああ、ゼムリア大陸中東部の沿岸部に位置する巨大海港都市。国土は小さいながらも南洋貿易で築いた莫大な富を大陸全土への投資に回している――――――我がエルザイムの友好国にして競合相手たるかの都市国家が擁する投資銀行というわけだ。」
「……………………」
「ハン…………つまり中東勢の縄張り争いもあるわけだ。加えて国家機密レベルの技術を狙うスパイが入り込んでもおかしくねぇ。」
「今回の件は、そんな複雑な状況であくまで”中立”の立場で動きながら…………何が起きているのかを正確に見極める、いえ――――――嗅ぎ分ける必要があるわけですか。」
「85点あげよう、助手諸君。加
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