第三章
[8]前話
「昨日博士がお会いした幽霊はですね」
「そうだった、君も夜遅く仕事をしてトイレに行くとな」
「お会い出来るかも知れないですか」
「そうかもな」
「わかりました、僕は夜遅くまで仕事しない主義ですが」
「夜はしっかり寝るな」
「遅くても十二時までには」
ドゥーリトルに笑って話した。
「そうしてます」
「出来ることはその日のうちにやる私とは違うな」
「はい、ですから」
「そうだな、その方がいいのだろうが」
「博士の性分ですね」
「どうもな、しかし夜トイレに起きてな」
「会うとですね」
その時はというのだ。
「お話すればいいですね」
「いい人だ、幽霊だから怖いのではない」
「その人がどうかですからね」
「ここにいる間に機会があればな」
「お話してみます」
「そうしたらいい」
こうした話をした、そしてだった。
三時のティータイムの時にだ、キンバリーはドゥーリトルに笑って話した。
「屋上で休憩していたらその人にお会い出来ました」
「アーノルド大尉にか」
「博士のこともお話しまして」
「それでサイボーグだったな」
「インターネットのお話もしてくれました」
「やはりサイバーだったか」
「本当に」
ドゥーリトルの言う通りにというのだ。
「そうでした」
「そうだったか」
「いや、幽霊も時代によって変わるってことが」
それがというのだ。
「わかりました」
「それは何よりだ」
「博士としては」
「私もわかった」
「お互いですね」
「幽霊も時代によってということがな」
「それで何でも趣味はギャンブルだそうですが」
キンバリーはミルクティーを飲みつつ話した。
「ギャンブルは昔からありますね」
「幽霊も人だからな」
「昔からあるものは変わらないですね」
「そうだな」
「競馬をされるそうで」
「そちらのこともインターネットで調べるのか」
ドゥーリトルはふと思って言った。
「そうなのか」
「何でも調べても殆ど勝てないそうです」
「そこも人だな」
「昔からギャンブル弱い人もいますしね」
「そうしたところは同じだな」
「そうですね」
二人でこうしたことを話した、そして二人が仕事を終えて自分達の大学に戻ってからアーノルドはこの施設で有名な幽霊となったと聞いた。
「イギリスだな」
「昔から我が国と言えば幽霊ですからね」
「そこにサイバーな要素も加わったな」
「そうですね」
二人で大学の中で話した、そして彼のことを話すのだった。
サイバー幽霊 完
2024・6・14
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