第一章
[2]次話
サイバー幽霊
幽霊といえば昔の恰好をしている、甲冑やドレスを着こみそうしている。イギリスの大学で工学部の教授を務めているチャールズ=ドゥーリトル博士はこの時までこう思っていた。白衣を着た太ったお大男で金髪を後ろに後ろに撫で付け黒い目と丸い顔を持っている。
「君の名前を聞きたいけれど」
「トーマス=アーノルドだ」
そのサイボーグはこう名乗った、半分機械の身体で左目もそうなっている彫のある顔の筋肉質の男で背はドゥーリトルよりある。
「実は軍の特殊部隊にいた」
「そういえば軍がサイボーグの開発をしているね」
「私は自ら志願してだ」
「それになったんだ」
「だが先日事故で死んだ」
アーノルドは自らこのことを話した。
「そして今はだ」
「幽霊になったか」
「この通りな」
「サイボーグも幽霊になるのだな」
ドゥーリトルは今わかったという顔で述べた。
「身体が半分機械でもか」
「元々は全て生身だしな」
「考えてみれば義手も義足もそうだしな」
「今では機械のものもあるな」
「内臓すらな」
「私も同じだ、それで今はだ」
アーノルドはさらに話した。
「インターネットの中も移動出来る」
「そうなのか」
「身体がなく魂だけだからか」
「そうしたことも出来るのか」
「そうなった」
こうドゥーリトルに話した。
「面白いことにな」
「確かに面白いな」
「インターネットの海の中を泳ぎ回り」
そうしてというのだ。
「様々なことを検索して調べるより容易かつ迅速にだ」
「調べて知ることが出来るか」
「そうなのだ、幽霊はあらゆる場所も自由に行き来出来るな」
「壁も通り抜けられるな」
「身体がないからな、如何なる高さも深さもだ」
「意味がないな」
「行きたい場所に行ける、それも休みなくな」
そうしてというのだ。
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