第一章
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ギリシャの葡萄酒
ペルシャの商人ソレイオスはペルシャ各地だけでなくギリシャにまで行って商売をすることがある、それはこの時もであり。
アテネでペルシャの酒を売っていた、そこでアテネの商人クレテヌス、年老いて白い髭を生やした彼にこう言われた。
「いや、ペルシャのものはどれもいいな」
「ははは、腕のいい職人も多くて作物もね」
ソレイオスは笑って応えた、長い黒い髭は濃く髪の毛も黒々としている、大柄でがっしりとした体格はアテネの者達より大きい。
「色々あってよく実ってね」
「しかも質がいいか」
「こう言ったら何だが」
ソレイオスはこう前置きして話した。
「ペルシャはとんでもなく大きいな」
「ああ、かなりな」
「それでこっちは街が国になってるだろ」
アテネの者であるクレテヌスに話した、二人の周りでは人々が行き交い港独特の活気を潮の香りと青い海の中で見せている。
「街が一つだとな」
「限られてるか」
「力もな」
「そこへいくとペルシャはか」
「本当にとんでもなく広くてな」
その領土はというのだ。
「大きな川も三つあって」
「東の方とエジプトにだな」
「そこで多くの作物や果物を作ってそれを食ってな」
「人が多くてか」
「その分腕が経つ職人もだ」
「多いな」
「だからペルシャのものは質がいいな」
こうクレテヌスに話した。
「考えてみると」
「だから今回取引する酒もだな」
クレテヌスは船から運び出される大きな甕達を見て話した。
「質がいいな」
「エジプトのものだ、美味いぞ」
「ならよく売れる、それじゃあ商いの後でな」
クレテヌスはソレイオスに笑顔で話した。
「飲むか」
「酒をか」
「ああ、アテネの酒だがいいか」
「わしは酒が大好きでな」
ソレイオスは明るく笑って応えた。
「飲めるならな」
「いいか」
「大歓迎だ」
「よし、それならな」
「仕事が終わってからだな」
「わしの家でな」
場所はそこでというのだ。
「一緒にだ」
「飲むか」
「そうしよう」
こう話してだった。
二人は商いをした、酒は高く売れてソレイオスは儲けクレテヌスはよく売れる質のいい商品が手に入って満足した。お互いにとっていい仕事になった。
その仕事の後で二人はクレテヌスの家に入ってだった。
共に飲むことになった、クレテヌスは共に席に着いたソレイオスに尋ねた。
「酒は何がいい」
「葡萄酒はあるか」
「葡萄酒か」
「ああ、酒は何でもいいがな」
それでもというのだ。
「今回商った酒に多かったな」
「だからか」
「船で運んでいる最中わしも飲みたくなってな」
そうなりというのだ。
「今もだ」
「飲みたいか」
「うむ、だからな」
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