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イデオロギーの逆襲
第二章

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「わからないけれどな」
「見た気がするの」
「そうなんだよ」
「それが何処かが問題ね」
「そうだな、しかしおかしな連中だよ」
 ネット右翼と言われる者達についてこうも言った。
「保守とか言いながら今の状況をな」
「変えたいのね」
「ああ、それでやたら攻撃的だしな」
「偏見が強いことで有名ね」
「ああ、おかしな連中だよ」
 彼等についてこう言った、そして二人の間に生まれた娘の咲子母親そっくりの彼女の大学の入学祝もした。
 仕事も頑張っていった、だがある時だった。
 彼等の中でも有名な作家が自分へ異論を言った相手に訴えるぞと恫喝を仕掛けたのを見てはっとなって言った。
「こいつ等共産主義か」
「ネット右翼が?」
「そうだよ、何処かで見たと思ったら」
 妻にその顔で話した。
「ネット右翼は共産主義だったんだ」
「全く正反対じゃないかしら」
「そう見えて実は」 
 これがというのだ。
「そっくりだし」
「それでなの」
「そう、実は」
「共産主義なの」
「社会を急に変える様な」
「革命ね」 
「それめいたことを言っていて」
 そうしてというのだ。
「排他的で独善的で内ゲバもして異論を認めない」
「それ確かに共産主義ね」 
 妻も確かにと頷いた。
「そうね」
「しかもグローバリズムを攻撃するし」
「それも確か」
「共産主義は国際資本とか批判していた」
 このことを言うのだった。
「搾取とか言って」
「昔の活動家の人達とか」
「挙句は経済侵略とか」
「日本のね」
「アジア再侵略とかね」
 畑中はこの言葉も出した。
「そう言って攻撃していたけれど」
「ネット右翼もなのね」
「こっちはこっちで中国がどうとか言って」
 そうしてというのだ。
「アメリカ民主党が戦争を起こしてるとか」
「それは活動家の人達も言ってるわね」
「そう、それでグローバリズムが何かディープステートの世界支配とか」
「それは陰謀論ね」
「そんなこと言って」 
 そうしてというのだ。
「攻撃してるし」
「同じなのね」
「それで歴史をやたら語るけれど」
 ネット右翼はそうもするがというのだ。
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