第一章
[2]次話
イデオロギーの逆襲
ソ連が崩壊した、これにより共産主義は終わったと誰もが思った。残る共産圏の国々はその実態はかなり怪しいものであったので尚更だ。
それは日本でもだ、大学生の畑中博夫色白で明るい顔立ちで薄茶色のスポーツ刈りの髪の毛で一七〇位の背の引き締まった身体をしている彼は友人に言った。
「共産主義はもう終わりだろ」
「そうだな」
「ソ連も崩壊したしな」
「日本でも共産主義のシンパいたけれどな」
「赤軍派とか中核派とか革マル派とかな」
「過激派いたけれどな、内ゲバして自分達以外は認めない」
「もう共産主義が潰れたんだ」
畑中は友人達にキャンバスの中で話した。
「あの連中も終わりだよ」
「そのうちいなくなるな」
「ずっと革命だとか言ってる連中がいるかも知れないが」
「肝心のソ連が崩壊したしな」
「もう終わりだな」
「ああ、だから俺達は真面目に働いてな」
そうしてというのだ。
「資本主義の中でな」
「お金儲けてな」
「そうして生きてくか」
「そうしていくか」
「それが一番だよ」
友人達に笑って話して就職してだった。
実際に真面目に働き結婚して家庭を持ち子育てもしつつ頑張って生きていった。その中でインターネットも知って彼自身も楽しむ様になったが。
その中でだ、彼は違和感を感じて妻の路子細面で優しい顔立ちで黒髪を後ろで束ねた小柄で胸の大きい彼女に言った。二人共顔に皺が多くなっているが外見は若い頃とあまり変わっていない。
「何か最近ネットでな」
「何かあったの?」
「ネット右翼って連中いるな」
「極端な人達ね」
「ああ、やたら差別的で攻撃的でな」
「色々問題になっているわね」
「何かな」
妻に首を傾げさせながら話した。
「何処かで見た気がするんだよ」
「そうなの」
「そうなんだよ」
「何処かっていうと」
「いや、それがな」
妻に首を先程とは逆方向に傾げさせて答えた。
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