第六章
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「わかるでしょ」
「圧倒的な強さね」
「選手層えげつないし」
そうであってというのだ。
「どんどん戦力出してきて采配もね」
「いいのね」
「どうもいい参謀の人がいて」
「奈良原ヘッド?」
「わかってるじゃない、倉野コーチとかね」
「そうした人達がいて」
「強いから、小久保監督采配は得意じゃないみたいだけれど」
それでもというのだ。
「マネジメント物凄く勉強してるから」
「努力する人なの」
「そう、だから本当に強いから」
「覚悟してかかることね」
「そうよ」
「そうなのね、そういうことでね」
ここでだった、明日夢はホークスファンである柳本咲に目をやってそのうえで彼女に対して言ったのだった。
「宜しくね」
「こっちこそね」
咲は明日夢に無表情で答えた。
「というかこっちも全力でぶつかるから」
「駆け込み三位でも馬鹿にしないの」
「前どれだけ苦戦したと思ってるのよ」
咲は明日夢に眉を顰めさせて言葉を返した。
「七年前ね」
「ああ、あの時もうち三位でクライマックス勝ち抜いて」
「それでシリーズあたってね」
そうなりというのだ。
「それでよ」
「あの時うち結構いいとこまでいったわね」
「正直言って強かったわ」
咲は真顔で言った。
「サファテさんの力投なかったら」
「負けてたっていうのね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「咲も他のファンの人達も侮ってないから」
「全力で戦うのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だから宜しくね」
「こっちこそね」
明日夢もそれならと応えた。
「全力で戦おう」
「ええ、お互い勝っても会負けても怨みっこなし」
「それでいきましょう」
「はっきり言って咲ベイスターズ嫌いじゃないから」
咲はきっぱりと言い切った。
「巨人は大嫌いだけれどね」
「ベイスターズは嫌いじゃないのね」
「セリーグの他のチームはね」
特に思い入れのない感じの言葉だった。
「好きでもないし」
「嫌いでもないの」
「悪く言えばパリーグのチームじゃないから」
だからだというのだ。
「これといってね」
「思い入れないのね」
「それ少年もでしょ」
咲は明日夢に言葉を返した。
「ホークスも他のパリーグのチームも好きでも嫌いでもないでしょ」
「別にね」
明日夢も否定しなかった。
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