第八十七部第三章 港の整備その六十
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「そうした国だ、しかし我々はだ」
「違いますね」
「我々は」
「そうした国ではありません」
「決して」
「そのことは間違いないことです」
「軍の暴走なぞだ」
そうしたことはというのだ。
「決してだ」
「ありませんね」
「それはですね」
「ないですね」
「そのことは」
「そうだ、総統と首相が指揮権を持っていて人事権もだ」
これもというのだ。
「持っている、そして軍務大臣もな」
「文民も就任出来ます」
「そうしてですね」
「それで、ですね」
「軍は暴走しない、むしろエウロパ軍人はな」
彼等自身の話もした。
「政治的な発言はな」
「しないですね」
「軍人は軍務に専念せよ」
「政治は政治家の仕事である」
「その考えがありますので」
「政治には言わないですね」
「連合の様に公務員等と言ってだ」
エウロパでは公務員とはまず言われない、官吏と呼ばれる。カミュはあえてこのことをシニカルに指摘したのだ。
「それで言わないのとは違う」
「誇りとして言わないのです」
「そして軍人の責務を理解している」
「そうした職業意識とやらではなく」
「そこから言っていますので」
「全く違う、あの国はだ」
連合のことも話した。
「低俗な国だからな」
「そう言っていますね」
「そして動いています」
「そう考えますと」
「同じ言わないことでも違いますね」
「エウロパ軍人とはな」
こう言うのだった。
「彼等は騎士だ」
「左様ですね」
「我々は騎士ですね」
「まさにです」
「軍人とされていますが」
「騎士です」
「騎士は誇りが違う」
まさにというのだ。
「だからな」
「政治にも言わない」
「そして暴走もしません」
「それは常です」
「誇りがあります」
「指揮権や人事権以上にです」
「誇りがそうさせています」
周りも口々に述べた、そしてだった。
そうした話もしてだ、そのうえでだった。
カミュは今度は軍務省から送られてきた暗黒宙域に展開する艦隊の責任者達の顔触れが書かれたファイルを見て言った。
「この人物達だが」
「確かな人達ですね」
「軍でも有望な将官達です」
「流石の人事と言うべきか」
「軍も考えていますね」
「そうだな、軍もだ」
実際にというのだ。
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