第八十七部第三章 港の整備その五十九
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「指揮権を持っていてもな」
「それでもですね」
「軍務の経験はあっても」
「それでもですね」
「現場に介入しない」
「それが重要ですね」
「何故国家元首や首相に指揮権があるか」
それはというと。
「政治だから」
「政治ですね」
「戦争をはじめさせて終わらせる」
「その為にありますね」
「だからですね」
「持っていますね」
「政治は軍人が行うが」
しかしというのだ。
「終わらせるのはな」
「政治家ですね」
「左様ですね」
「それではですね」
「指揮権があるのも当然ですね」
「戦争もまた政治だからな」
それでというのだ。
「あるのだ、いざという時にだ」
「その指揮権を使って」
「そうしてですね」
「戦争を終わらせる」
「その為のものですね」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「その時に使う為のものでな」
「それではですね」
「若し戦争になれば」
「その時は」
「私は実際にだ」
まさにというのだ。
「指揮権を使う、文民統制だ」
「はい、エウロパも然りです」
「この国も文民統制です」
「国家元首の総統と首相は文民です」
「その文民が指揮を執るのですから」
「軍務大臣は現役武官の場合もあるが」
しかしというのだ、事実今の軍務大臣のモンサルヴァートも前任者のシュバルツブルグも同じである。
「しかしだ」
「総統と首相は文民です」
「首相も現役武官の例がありますが」
「しかしです」
「それでもですね」
「首相は多くは文民です」
「そしてその文民でも指揮を執れます」
周りもカミュに話した。
「閣下も然りです」
「そう思いますとそれならですね」
「我々も文民統制の国ですね」
「そうだ、連合がいつも言うが」
ここでカミュはこうも言った。
「軍が暴走したり等な」
「ありませんね」
「そうしたことが起こる国ではないです」
「むしろよくそんなことが言えばものです」
「我々のことを知らずに」
「全くです」
「そうだ、あの国はだ」
まさにというのだ。
「エウロパに何か言うのならな」
「それならですね」
「手段を選びませんですね」
「どんなことでも悪く言いますね」
「それがあの国ですね」
「そうだ、あの国はだ」
まさにというのだ。
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