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博士の挑戦状
第百九十一話

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            第百九十一話  わからないドローン
 博士は小田切君に昆虫にしかドローン達を見せつつ話した。
「人は人がおれば警戒するな」
「はい、見て聞かれますから」 
 小田切君はそれでと答えた。
「そうします」
「しかし虫ならどうじゃ」
「気にしないですね」
「そうであるな、だからじゃ」
「虫のドローンはいいんですね」
「絶対にばれぬ」
「諜報をしても」
 小田切君はこう言った。
「それでもですね」
「そうじゃ、特に羽虫の様なじゃ」
「小さな虫なら」
「尚更じゃ、例え密談をしておってもな」
「個室で、ですね」
「羽虫が天井や壁におってもな」
「誰も気付かないですね」
「だからそうした虫のドローンも持っておるしな」
 見れば確かにそうした虫のものもある。
「他にもな」
「持っておられるんですね」
「そして用いておる」
「だからブリーフ13にも使って」
「気付かれんかったのじゃ」
 そうだったというのだ。
「全くな」
「変態ですが世界的なスナイパーですね」
「その勘を舐めてはいかん」 
 ブリーフ13のそれをというのだ。
「決してな」
「やっぱりそうですね」
「だがその勘もね」 
 侮ってはならないそれもというのだ。
「流石にじゃ」
「虫には及ばないですね」
「だからいいのじゃ」
「虫はそうしたことでも役立つんですね」
「左様じゃ」 
 博士は笑って話した。
「そうした盲点を衝くこともじゃ」
「大事なんですね」
「兵器の開発と製造にはな」
「そしてそこに人類が気付くと」
「まさにな」
 それこそがというのだ。
「そこからはじまる」
「そうですね」
「わしは地球の人類の進歩は決して阻まぬ」
 ここで博士はこうも言った、そして紅茶を飲みつつ小田切君に自分の考えを語っていくのであった。


第百九十一話   完


                    2024・8・14
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