第五幕その四
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お屋敷自体の中に入りました、その中はといいますと。
「お屋敷の中もインドね」
「そうだね」
「ダイアモンドと金と銀で飾られていて」
「様式はそうだね」
「かけられている絵だって」
「セーラはずっとインドにいたからね」
それでとです、ナターシャ達五人にかかしがお話しました。
「だからだよ」
「街とお庭と同じですね」
「お屋敷もインドですね」
「セーラさんがずっとインドにおられたので」
「お屋敷の中もインドですね」
「その全てが」
「そうなんだ、セーラはイギリス人でも」
それでもというのです。
「そこにあるのはインドなんだよ」
「そう、私はインドで育って生きて来てね」
セーラ自身もお話します、にこりと笑って。
「ロンドンにいたのは実は少しの間で」
「またインドに戻られて」
「それからはずっとですか」
「インドで暮らされたので」
「だからですか」
「オズの国でもインドなんですね」
「そうなの、お屋敷の中もそうで」
そうであってというのです。
「着ている服はイギリスのものでも他のことはね」
「インドなんですね」
「家具もそうなんですね」
「お風呂とかも」
「そうしたものもですね」
「全部インドですね」
「ええ、本当に全てがインドでね」
セーラはにりと笑って優雅に舞を舞う様に動いてお話します。
「お食事もね」
「というと」
ナターシャはセーラの今のお話を聞いて言いました。
「カリーですか」
「そうよ」
ナターシャに笑顔で答えました。
「それを食べるわ」
「そうですね」
「そうだと思ったわね」
「はい」
ナターシャはその通りだと答えました。
「やっぱり」
「そうよね」
「インドっていいますと食べものは」
それはというのです。
「何と言ってもです」
「カリーよね」
「カレーでなくて」
「実はね」
セーラはお話しました。
「私ロンドンでのお食事はね」
「合わなかったのかしら」
「そうだったんです」
ドロシーに答えました。
「実は」
「やっぱりそうだったのね」
「お父様と一緒だった時も」
「インドのものを食べていたの」
「カリーを」
まさにこのお料理をというのです。
「そうでしたので」
「だからなのね」
「はい、それにあの頃のイギリスのお食事は」
「よくなかったのね」
「パンも他の食べものも」
どれもというのです。
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