第五幕その三
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「宜しくです」
「あの、敬語はいいです」
ここでナターシャはこうセーラに言いました。
「それはちょっと」
「そうですか?」
「セーラさんはこの国の主ですね」
「プリンセス、王女として」
「しかも私達より年上なので」
だからだというのです。
「そうしたことはです」
「いいですか」
「はい」
そうだというのです。
「畏まることは」
「それでお願いします」
「それにセーラさんって僕達の憧れの人の一人ですし」
「読んでいてどれだけ応援して励まされたか」
「四姉妹さん達はセドリックさんと同じですから」
五人全員で言います。
「孫悟空さんや関羽さん達もでしたが」
「そんな風に接せられるとです」
「かえって困ります」
「ですから普通でお願いします」
「畏まらなくて」
「それじゃあ貴方達にはロンドンの学校にいた時みたいに接するわね」
セーラは五人ににこりと笑って言葉を返しました。
「そうしていくわね」
「はい、お願いします」
「そうして下さい」
「これからは」
「それで宜しくお願いします」
「本当にそれで」
「それではね」
こうしてセーラは五人には学校の女の子の先輩として接する様にしました、そして今度はなのでした。
セーラと一緒にいて彼女の後ろに控えている人達が笑顔で名乗りました。
「ラメダスです」
「ベッキーです」
男の人も女の子も名乗りました。
「ようこそです」
「この度はようこそいらっしゃいました」
「こちらこそね」
またドロシーが応えました。
「ではこれからね」
「はい、この国においてですね」
「何かとですね」
「お話をしてね」
ドロシーは二人にも答えました。
「見させてもらうわ」
「宜しくお願いします」
「滞在される間おもてなしさせてもらいます」
「それでまずはです」
セーラが再び口を開きました。
「お昼にしますか」
「あっ、もうそんな時間なんだ」
ジャックはセーラの今の言葉にはっとなりました。
「僕は飲んだり食べたりしないからね」
「お昼といってもね」
「言われて気付く時があるね」
かかしと樵も言います。
「今みたいに」
「そうだね」
「それで今はね」
「これからお昼だね」
「はい、ではお屋敷の中に」
セーラは自分から言ってでした。
一行をお屋敷の中に案内しました、まずは広くて奇麗な黄色い草木の中に様々なお花が咲き誇っているインドの庭園の中を通ってです。
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