第五幕その二
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「大変だったね」
「あの時の大変さを見たら」
それこそと言うジョージでした。
「胸が締め付けられるよ」
「物凄く意地悪もされて」
恵梨香も暗いお顔で言います。
「大変だったわね」
「まさか」
ここでこうも言ったナターシャでした。
「あの意地悪な」
「ミンチン先生いるとか?」
「あとラビニアさん」
「オズの国にいるとか」
「そうだとか」
「その人達はいないよ」
すぐにです、魔法使いが五人に答えました。
「全くね」
「そうなんですね」
「性格が悪いからですね」
「それも凄く」
「小公女の中で酷かったですからね」
「最悪でしたね」
「だからいないよ」
魔法使いはまた言いました。
「あの人達はね」
「それはよかったです」
「何よりです」
「セーラさんをあんなに苦しめて」
「読んで観て腹が立ちました」
「何でこんな酷いことするのかって」
「そうだね、けれどこの国にいるのはセーラと彼女によくしてくれた人達で」
そうであってというのです。
「あの人達はいないからね」
「安心していいですね」
「それでセーラさんとお会いしていいですね」
「セーラさんとあの人によくしてくれた人達がおられるので」
「だからですね」
「私達も素直に楽しめますね」
「そうだよ」
魔法使いは五人に優しい笑顔で答えました。
「安心してね」
「わかりました」
「それじゃあそのうえで、です」
「セーラさんにお会いして」
「お話させてもらいます」
「そしてこの国の色々な場所を巡らせてもらいます」
「そうしようね」
笑顔でお話してでした。
皆はインドの街並みを歩いていってそこを行き交う人達とも気さくに挨拶をしました。そうしてでした。
セーラのお屋敷に着きました、そのお屋敷はインドの壮麗な宮殿を思わせる白い壁と丸い黄色い屋根や塔がありまして。
左右対称で様々なお花で飾られたお庭があります、そしてその正門のところにです。
紺色と白の奇麗な西洋風のドレスを着た黒くて長い髪の毛と青い目を持つ白いお肌のオズマと同じ位の年齢の女の子が背の高いインドの白い服とターバンを巻いた端正な男の人と黒いメイド服を着た赤髪に緑の目のそばかすのあるやはりオズマと同じ位の年齢の女の子と一緒にいます、その黒髪の少女が挨拶をしてきました。
「ようこそ我が国へ」
「お邪魔するわ」
ドロシーが一行を代表してにこりと笑って応えました。
「今回はね」
「はい、セーラ=クルーです」
少女はにこりと笑って名乗りました。
「はじめての方もおられるので」
「私達ですか」
「はい」
ナターシャに笑顔で答えました。
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