第二章
[8]前話
「神様とか救世主とか」
「持ち上げられているわね」
「ええ、それで団体生活とお布施とか」
「言ってるわね」
「これはね」
母に本気で言った。
「カルトよ」
「そうよね」
「お母さんもわかるわね」
「わかるわ」
実際にと答えた。
「伊達にこれまで生きていないから」
「わかるわよね」
「ええ」
実際にというのだ。
「だからあんたにも言ったのよ」
「こうした宗教団体が来たって」
「最初からおかしいって思っていて」
「私がどう思うか」
「聞いたけれど」
「絶対に怪しいわ、入信したら大変よ」
「断ることね」
「大体私達もう臨済宗でね」
自分達の信仰のことも話した。
「お寺お参りするし神社もだし」
「それならね」
「もうね」
それならというのだ。
「いいから」
「それじゃあいいわね」
「いいわ」
こう言うのだった。
「この団体は無視」
「完全にね」
「お父さんにもお兄ちゃんにも行って」
「それで終わりね」
「二人共馬鹿じゃないから」
残る二人の家族もというのだ。
「安心していいわ、しかし世の中ね」
「騙される人もいるわね」
「そこまで頭があれか絶望しきっていて」
「ついついよね」
「入る人がいるのよ、入って救われるどころか」
「地獄よね」
「そっち行きよ、だから普通の状態でいるなら」
それならというのだった。
「絶対に騙されない、それで絶望しても」
「今の信仰があるわよ」
「だからいいのよ、まあ頭があれな人は」
「仕方ないわね」
「そうした人はね」
母娘で話した、そしてだった。
家に帰ったそれぞれサラリーマンをしている父と兄にも話した、すると二人共こんな団体は相手にしないと言った、それで一家での話は終わったが。
後にこの団体は何かと問題を起こした、それで一家は関わらなくてよかったと思った。カルト教団には。
それはカルトだ 完
2024・10・25
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