第25話:もう1つの真実
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ても良いのではないかと。
だが、その前にもう1つだけ訊きたい事が有った。
「で、その息子さんが魔王軍と戦う事を余儀なくされた切っ掛けである星空の勇者襲名は、一体何時頃の事です?」
それに対し、マドノの母親の答えはアムの予想に反するモノであった。
「10年近く前です」
「10年!?」
グートミューティヒはまだ10歳の筈。
にも拘らず、マドノは10年前にグートミューティヒに星空の勇者の影武者に任命された……
これでは、どうも辻褄が合わない。
(だとすると……アイツがマドノを偽者に仕立て上げたのではなく……って事になるわね?で、その理由は……)
アムは、マドノの両親の話を思い出し、1つの結論に至った。
(もし、勉強と学問が嫌いなマドノが、目の前に転がっている学問以外の事に没頭出来るチャンスを発見したら……と言う事は!)
「どうやら私、グートミューティヒの奴に謝罪に往かなきゃ行けなくなったわね」
「は?」
アムに最早迷いは無かった。
「実は私、本物の星空の勇者が何者かを知っています!」
その途端、マドノの父親がまたアムの両肩を掴んだ。
「本物の星空の勇者だと!?それは、本当か!?」
「アナタ!落ち着いて!」
ここでアムはやっと、あの時マドノの父親が何を期待していたのかが解った。
(なるほどね。あの時、こいつは私がマドノの事を『偽勇者』と呼んだ事を大いに喜んでいたのね?)
改めて迷いが無くなったアムは、自分が何故グートミューティヒと喧嘩別れしてしまったかを素直に話した。マドノに対するある疑念を含めて。
「本物の星空の勇者の名は『グートミューティヒ』。その事実を初めて知った時、私はグートミューティヒがマドノを星空の勇者の影武者に仕立て上げたと勘違いしてしまい、裏切られたと思い込んでグートミューティヒと喧嘩別れしてしまいました。でも、貴方方の証言によってそれは違うと確信しました」
「では何故、我が息子マドノは……そのグートミューティヒを差し置いて星空の勇者を名乗ったのです?」
「それについては申し上げにくいのですが……グートミューティヒの馬鹿がマドノに星空の勇者の座を奪われたのではないかと」
「奪った……だと?何でマドノがそんな危ない物を奪おうとするのだ!?」
アムは、それについての疑問も、マドノの両親の話で大体推測出来ていた。
「貴方方に強要された勉強から逃れ、学問とは程遠い戦闘に没頭する為です」
一方、マドノの父親はアムの推理が全く信じられなかった。
「そんな馬鹿な……何でそんな何時殺されるか解らん場所に……」
それを聞いたアムはボソッとこう言った。
「親の心、子知らず……よ」
マドノの両親との出会いによってマドノの正体を知ったアムは、改めてマドノと戦う理由を見出した。
「先ずはあの女装糞男と合流しない
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