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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その五十五

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「そうですね、ホステスも然りです」
「貴族用の店のな」
「会員制のそうしたお店がありますので」
「そちらを利用しているか」
「左様です、遊ぶ相手も選ぶものです」
「そうだな」
「そうです、ですから」
 カミュはさらに話した。
「私はこの通りです」
「感染もせずだな」
「恨みを買うこともです」
「ないな」
「そうです、歌劇では定番の三角関係なぞです」
「遊びでは陥るべきではないな」
「そうかと。伊藤博文もそうでしたし」
 彼は非常に女好きであったがそれでも遊ぶ相手は選んでいた。無名の芸者等実力者の妾ではない相手とのみ遊んでいたのだ。
「私もということです」
「ならいい、私は実力で人を選ぶ」
「素行はいいですか」
「賄賂を取ろうがだ」
 カミュも賄賂を取るが彼だけに限ったことではない。
「それでもだ」
「能力があるならですね」
「用いる、タレーランやフーシェでもだ」
「歓迎しますか」
「彼等は人間性は最悪だったがな」
 タレーランもフーシェもというのだ。
「陰謀家で賄賂を取り汚職もだ」
「していましたね」
「二人共陰謀家でな」
「タレーランは賄賂を取り」
「そしてフーシェは政治資金を貯め込んでいた」
 汚職をしてである。
「兎角酷い者達だった」
「左様でしたね、ですが」
「能力は極めて高かった」
「それならですね」
「用いる、そして野心家でもだ」
 それでもというのだ。
「やはりな」
「実力があればですね」
「用いる。私の後釜を狙うなら」
「是非ですね」
「狙うことだ」
 こう言うのだった。
「是非な」
「実力で奪い取ってみろ、ですか」
「エウロパ総統の座をな」
 そうしろというのだ。
「若し私以上にエウロパを繁栄に導けるならだ」
「それは可能である」
「そう思うならだ」
「奪ってみろですか」
「むしろ実力があるが野心のない者なぞだ」
 ギルフォードはこうも言った。
「面白くない、だからむしろだ」
「野心は歓迎されますか」
「そうだ、卿もだな」
 カミュにも問うた。
「総統の座を今も狙っているな」
「はい」
 不敵な笑みでの返事だった。
「それは」
「そうだな」
「次の選挙ではです」
「私の座を奪うな」
「そうさせて頂きます」
「それでいい、私の座を奪うならだ」
「実力を備えることですね」
「私以上のな、実績もだ」
 これもというのだ。
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