第一章
[2]次話
笑顔は最強最高
笑わない、それでだ。
大学生のエリザベス=シーンは氷の美女と言われていた。
見事な長いプラチナブロンドの髪に青く澄んだ目、紅の唇に彫のある整った顔立ち、白い肌、モデルの様な長身とだ。その美貌は有名だったが。
笑わないと言われていた、兎角表情がなかった。
そう誰もが最初は思った、しかし。
「うふふ、面白いわね」
「えっ、笑った」
「小説読んで」
「吹き出してるじゃない」
「いや、この場面が本当に面白いから」
その本を読みつつ言うのだった。
「だからね」
「それでなの」
「それで笑うの」
「そうなの」
「そう、面白いから」
こう言って笑うのだった、その他にも。
コメディーを見てもちょっと何かあるとだ。
すぐに笑い顔を崩す、それもかなり笑う方で。
「笑わないと思ったら」
「よく笑うな」
「それもかなり」
「意外にも」
「いや、私笑い上戸だから」
酒を飲んでもすぐに笑った、エールを飲んでの言葉だ。
「昔から何かあるとね」
「笑うの」
「そうするの」
「本読んでもコメディー見ても」
「ジョークでも笑うし」
「漫画でもね」
「今もね」
エールを飲みつつさらに言った。
「こうしてね」
「お酒が入っても」
「それでも笑うのね」
「そうなのね」
「そうなの、だからね」
それでというのだ。
「今度大阪に留学に行くけれど」
「リバプールからなのね」
「日本のその街に留学に行って」
「そこでも笑うの」
「あそこは食べものとお笑いの街だっていうから」
それでとだ、笑顔で言うのだった。
「日本語わかるし」
「それならなのね」
「ここにいる以上に笑うっていうのね」
「そうなるっていうのね」
「多分ね」
友人達に笑顔で言った、そして実際にだった。
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