第二章
[8]前話
そのタレントを見てだ、友人は嫌そうに言った。
「あいつ嫌いなのよね」
「ああ、さっきすれ違った人ね」
「そう、落語家でね」
「人の家のご飯漁ってるわね、番組で」
「あいつ巨人ファンで知ったかぶりばかりで」
桃に嫌そうな顔のまま話した。
「他チームの選手やファンの人馬鹿にすることあるのよ」
「巨人ばかりで」
「それで自分が野球を盛り立てるとかね」
「言ってるの」
「プロ野球界が大変な時完全に巨人の側についてたし」
即ち権力者の方にというのだ。
「もう人を踏み躙って馬鹿にする」
「そんな奴なの」
「そうなのよ」
「そういえば」
桃もそのタレントを知っていて言った。
「人相悪いわね」
「物凄く嫌な奴だからね」
「生き方が出てなのね」
「それでよ」
その為にというのだ。
「ああしてよ」
「人相悪いのね」
「そうなのよ」
まさにというのだ。
「あいつはね」
「そうなのね、やっぱり生き方が悪いと」
桃はあの元プロ野球選手を思い出しつつ友人に話した。
「お顔に出るのね」
「そうね、嫌な奴はね」
「嫌なお顔になるのね」
「そういうことね、嫌な奴とすれ違ったから」
友人は桃にあらためて話した。
「厄払いにカラオケ行く?」
「いいわね、行こう」
桃は笑顔で応えた、そうしてだった。
二人でカラオケに行って楽しんだ、それから家に帰ったが。
母と公務員で仕事から帰って来た父の浩介広い額と黒く短い髪の毛に細面で眼鏡をかけた優しい顔立ちの彼の顔を見てだった。
やはり生き方は出ると思った、それで両親に言った。
「お父さんいい人だからお顔いいのね」
「お父さんのかい?」
「うん、穏やかな顔してるのね」
「ああ、人相か」
「いい人はいいお顔になるのね、私もそうしたお顔になるわ」
笑顔で言った、そしていい人生真面目で穏やかな人生を送ろうと決意した。そうして実際にそう生きると。
四十の頃にいい顔をしていると人に言われた、夫と二人の間に生まれた自分の息子に言われて笑顔になったのだった。
とある野球選手とタレントの顔 完
2024・10・24
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ