第八十六話 たらし達その十一
[8]前話 [2]次話
「動きが速いならな」
「鈍くすることですね」
「若しくは癖を盗む」
動きのそれをというのだ。
「そうすることだ」
「どちらかですね」
「しかしわしも盗ませはせん」
癖をとだ、伊藤は明るく言った。
「癖はな、それならどうするか」
「動きを鈍くする」
「そうなる、しかしそれでもわしも負けんぞ」
「戦われますね」
「それならそれでな、そしてそのわしにだ」
まさにというのだ。
「どう戦って勝つか」
「そのことをですね」
「見せてもらおう」
「わかりました」
アレンカールはそれならと応えた、そうしてだった。
一行は術で伊藤の素早さを低下させた、それだけでなく。
「術への防御力も高めるか」
「そや」
芥川は今度は中里に話した。
「そうするんや」
「伊藤さんは術で戦う人やからや」
まさにというのだ。
「ここはな」
「こっちの術の防御力を上げて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「術の威力は弱める」
「そうするな」
「そうするんや」
「よし、ほなな」
中里は芥川の言葉に頷いて言った。
「ここはな」
「術の防御力上げような」
「そうしよな」
「勝つ為にはな」
芥川はさらに言った、
「打てる手はな」
「全部打つ」
「そしてや」
「勝つ」
「その通りや」
まさにというのだった。
「今回もん」
「そやな、ほな」
「術の防御力も高めるで」
「わかったわ」
芥川の言葉に頷いてだった。
中里も他の者達も伊藤の素早さを下げてだった、同時に自分達への術に対する防御力を高めて神霊と戦った、そうしてだった。
伊藤にも勝った、すると伊藤は大いに笑って言った。
「お主達なら大丈夫だ」
「この世界を救えますか」
「左様、任せたぞ」
綾乃にその笑顔で話した。
「わしは楽しく見守るぞ」
「安心してですか」
「人を見る目には自信がある」
「それで、ですか」
「実際に戦ったしな」
このこともあってというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ