第三十九話 めでたい幽霊がその二
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「織田作さんの作品に出たのよ」
「そういうことなんだ」
「ええ、そうなの」
「そうなんだね」
「ここはね」
道頓堀はというのだ。
「かつてはそうした場所だっていう歴史はね」
「覚えておくことだね」
「ええ。それで今見回すと」
夜空は微笑んで話した。
「芸人さんもね」
「ああ、この辺りはね」
佐京も微笑んで応えた。
「多いよね」
「近くに吉本があって」
「松竹だってね」
「だからね」
「お笑いの人がね」
「結構いるのよ」
「そうよね」
「ある芸人さんが自転車に乗ってたとか」
そうしたというのだ。
「場面見るなんてね」
「あるんだね」
「普通にね」
「そうした場所だね」
「難波全体だけれどね」
「芸人さんを見るのは」
「ええ、けれど一番目立つのは」
その場所はというと。
「やっぱりね」
「ここだね」
「そう、道頓堀なのよ」
何と言ってもというのだ。
「ここよ」
「そうなんだね」
「やっぱりここは目立つ場所なのよ」
道頓堀はというのだ、夜空は道頓堀名物の一つである紅白の衣装が印象的な食いだおれ人形を観て話した。
「何と言ってもね」
「難波の中でもだね」
「そうなの、賑やかでいい場所だと思うわ」
「そしてここにもだね」
「織田作さんはおられて」
そうしてというのだ。
「楽しく歩いておられたのよ」
「そして色々なお店に入っていたんだね」
「そうなのよ」
「織田作さんはここでもだったんだね」
「そうなの、それとね」
「それと?」
「今もね」
令和の時代になってもというのだ。
「そうしておられるのよ」
「幽霊になってもだね」
「そうみたいよ、白華ちゃんが会ったね」
「幽霊だね」
「私もお会いしてみたいわ」
「織田作さんの幽霊に」
「一度でもね」
佐京に笑顔で話した。
「そうしたいわ」
「だったら」
佐京は夜空のその言葉を聞いて言った。
「織田作さんコーヒーお好きだったね」
「お酒は飲めないけれど」
それでもとだ、夜空は答えた。
「コーヒー派だったみたいね」
「だったら何処か喫茶店に入って」
佐京は夜空の言葉を聞いてそれならと話した。
「そうしてね」
「そのうえでなの」
「そう、そうしたらね」
喫茶店でコーヒーを飲めばというのだ。
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