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新オズのかかし
第四幕その十二

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「思わない」
「そんな人でしたね」
「だから悪いことばかりして」
「嫌われていて」
「オズの国に関わる人の中で数少ない嫌われ者で」
 そうであってというのです。
「よくなろうと努力することもね」
「なかったですね」
「そうだったよ」
「そうですか」
「だからね」 
 それでというのです。
「あの人自身も幸せじゃなかったよ」
「嫌われてもいて」
「そうだったんだ」
「そうですか」
「今は違うけれどね」
「嫌われていないですね」
「素直で優しさも知った」 
 そうしたというのです。
「立派なオズの国の住人にだよ」
「なりましたね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「いいことですね」
「以前の私と同じなのでしょうね」
 伯爵さんはラゲドー氏のお話をお聞いて思いました。
「暗くて怒ってばかりで楽しまず」
「貴方も羨んだり妬んだり」
「人の幸せに思っていました」
「そうだったんだ」
「そうでしたので」
 だからだというのです。
「あの人のお話を聞きますと」
「そう思うんだね」
「昔の自分とです」
「似ているとだね」
「はい、ですから余計にです」 
 またセドリックを見て言うのでした。
「あの人について思います」
「昔の自分と似ているから」
「そう感じますので」
 それ故にというのです。
「昔の様になってはならないと」
「思うんだね」
「暗い気持ちにいることは」
 そうなることはといいますと。
「それだけで不幸です」
「そうだね」 
 かかしもその通りだと答えました。
「明るい方がね」
「やはりいいですね」
「それに限るよ」
「全くです」
 伯爵さんはその通りだと答えました。
「私もです」
「そう思うからこそ」
「ですから今は」
「明るくだね」
「なることが出来て」
 そうであってというのです。
「まことにです」
「幸せだね」
「セドリックは私の幸せです」
 彼自身がというのです。
「まことに。ですから」
「これからもだね」
「オズの国で」 
 かかしにセドリックを見つつお話します。
「幸せにです」
「暮らしていくね」
「そうしていきます」 
 そうお話する伯爵さんの笑顔はとても明るく輝いているものでした、そこに暗いものは全くありません。皆はその笑顔を見て自分達も笑顔になりました。
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