第16話 あの事件の裏話です
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今にも殴りかかろうとしてるくらいです。
「俺、間違った事言ってるか?その足りない頭で考えてみろ?今何時だ?3時だぜ?迷子を探してた時間が約15分位。それくらいなら最後の湖を回る時間も取れたのに、アンタの長ったらしい説教のお陰で、急いで回らないと、帰るのが夜になるぜ」
「ぐっ………!!」
「それに細野先生だけを怒るのは筋違いだぜ、アンタだって大きな木の下で本読んでたじゃねえか」
「わ、私は本を読みながら見ていたのだ!!」
「へえ〜なら自分のクラスの生徒が何処で何を何人のグループで遊んでいたか分かるよな?」
「ぐぅぅぅ………」
「ほら、言ってみろよ!それとも自分が困るとだんまりになるのか?」
「もういい!!早くバスに移動するぞ!!今からなら間に合う!!」
そう言って生徒達を誘導する柏山先生。
「おい!!この………」
「伸也!!」
更に言おうとした伸也君を細野先生が止めました。
「いいや、いくら先生の頼みでも………」
「………」
「………分かりました先生。だけど最後に………」
そう言って柏山先生に近づく伸也君。
「俺達は細野先生が大好きだ。もう一度今日みたいな事してみろ、次は俺達のクラス全員が敵になるからな」
そう言って私達の方へ戻って来ました。
「………」
静かに座る伸也君に誰も声をかけられませんでしたが、2人だけは違いました。
「エローシュ久しぶりにキレた………」
「確かに珍しかったわね」
「だってあり得ないだろ。確かに細野先生も悪かったけど、だからって晒し者にするようにみんなの前で怒るか普通?あんなの先生のすることじゃねえよ!!」
腕組みし、その場所から柏山先生を睨む伸也君。
「良いのよ、ありがとうねエローシュ」
そんなエローシュ君に優しく話しかける細野先生。
「………別に」
恥ずかしいのを隠すようにそっぽを向き、口を尖らせる伸也君。
さっきの伸也君とは違い、いつもの伸也君でした。
「さあ、私達もバスに乗りましょう!!」
細野先生の一声で私達もバスに乗りました………
「その後はエローシュ君が盛り上げてくれたお陰で楽しく遠足を終えられたんだ」
「………本当に凄いよね、エローシュって」
真白の話を聞いていたエリオは真面目な顔で呟いた。
「エローシュには言葉で人を惹き付ける力がある。いつもはバカやっているようにしか見えないけど………でも夏穂ちゃんも佐助もキャロもルーも真白ちゃんも僕も当たり前のように一緒にいる。………まるでレイ兄みたいだ」
「レイ兄って………」
「うん、レイ兄はキャロのお兄ちゃん。エローシュみたいな変態
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