第16話 あの事件の裏話です
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「そうか、エリオ君達は1学期に居無かったもんね………実は………」
1学期、5月………
「全く!!担任の貴方がしっかりしなくてどうするんだ!!」
「済みません………」
あの時はね、小学校始まって5月の終わりに行った遠足での出来事だったの。
その時は動物園に行ったんだけど、その昼食後の自由時間の時に起きたの………
「いくら自由時間だと言っても、担任が一緒に生徒達と遊んで、監視を疎かにしてどうする!!私達は生徒を預かってる身なんだぞ!!」
「済みません………」
細野先生が隣のクラスの柏山先生に頭を下げて一生懸命謝っています。
事の発端は私達のクラスメイトが迷子になったのが原因でした。
自由時間の間、公園の中で自由に遊んで良い事になっていたのですが、その内、男の子グループ3人が公園から出て、隣のアスレチックエリアまで行ってしまったのが原因でした。
時間になっても帰ってこないので、先生が慌てて探し、何とか見つかったのですが、学年主任の柏山先生がカンカンになって、生徒が居るその場で怒っているのでした。
「………全く、ありえねえだろ………」
「そんな様子を見ていた隣の伸也君の冷めた目は怖くて、今でも忘れられない程怖かった………」
「そんなに怒ってたんだ………」
「伸也君は何だかんだ言って細野先生が好きだから………」
「あんた、いい加減にしろよ、細野先生を晒し者にするようにいつまでもガミガミと………アンタ恥ずかしくねえのか?いい大人がよ?」
「………何だと?」
伸也君はその場で立ち上がり、睨めつけて言いました。
その雰囲気がいつもと違う事にクラスメイト全員気がついていたと思います。
だってその時、先生に対してもの凄い喧嘩口調だった事に誰も突っ込みませんでしたから………
「お前、名前は?」
「江口伸也」
「細野先生、あの生徒の言葉遣いは何ですか?先生に対してあの態度………ちゃんと指導は………」
「大丈夫、この口調はアンタだけだから」
そう言った伸也君を柏山先生は怒りを堪えながら見てました。
「だってそうだろ?先生とは思えない行動してんのに、まさか他の先生と同じ様に呼んでもらえると思ってたのか?」
「………私が先生と思えないだと?」
「アンタさ、周り見えてるか?せっかく楽しい遠足をアンタが台無しにし、全てのスケジュールをずらし、まさかの全員の目の前で説教だ?今日はアンタの説教公開日か?呆れて最後まで聞いてられなかったぜ………」
「この………!!」
鼻で笑われ、柏山先生の顔は怒りで真っ赤になってました。
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