第四幕その八
[8]前話 [2]次話
「作業服が正装だから」
「いいですか」
「むしろ進んでお仕事をしていてね」
そうしていてというのです。
「素晴らしいですか」
「そう言わせてもらうわ」
「そうですか」
「ええ、だからね」
それでというのでした。
「気にしないで」
「王女がそう言われるなら」
「セドリックもよくです」
伯爵さんはドロシー達にお顔を向けて言いました。
「国のこうした仕事をです」
「手伝っているんだ」
「そうです」
樵に答えました。
「今日は私と一緒に皆さんの案内をさせてもらっていますが」
「普段はなんだ」
「母親と一緒で」
「お国の色々なお仕事をなんだ」
「自分から進んで」
そうしてというのです。
「しています」
「それは立派だね」
「よく遊んでよく学んで」
「よく働いているんだね」
「とても明るく楽しく」
「そうなんだね」
「まさにです」
こうも言う伯爵さんでした。
「太陽です」
「この国にとって」
「そうです」
樵にとても赤売り笑顔でお話します。
「セドリックは」
「成程ね、伯爵さんにとってセドリックは掛け替えのない存在で」
「この国にとってもです」
「全てを照らしてくれる太陽だね」
「その通りです」
「この国は小公子の国という名前だけれど」
かかしはうんうんと頷きつつ言いました。
「まさにそうだね」
「国家元首は私ですが」
「セドリックが全てを照らしてくれるから」
「小公子の国です」
「そうだね」
「まことに」
「そうだね、本当に全てが照らされていて」
「明るいですね」
「そして何もかもがいいよ、藁だってね」
かかしはその麦藁も観て言いました、黄色いそれ等を。
「素晴らしく質がいいよ」
「そうそう、君の身体の中身は藁だからね」
「だから藁の品質はよくわかるよ」
かかしは樵に答えました。
「本当にね」
「誰よりもだね」
「そう言っていいよ」
実際にというのです。
「オズの国でもね」
「そうだね、じゃあね」
トトがここでかかしにこうしたことを言いました。
「これから入れ替える?」
「藁をなんだ」
「身体の中のね」
「あの藁達は刈り立てで新鮮だしね」
「丁度いいんじゃないかな」
「いいですね」
セドリックも言ってきました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ