第四幕その七
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「オズの国ではとても考えられない」
「そうした人生ですね」
「喜びも楽しさもなかったんだよね」
「はい」
まさにというのです。
「そうでしたしセドリックが来なければ」
「絶対にそんな人生送りたくないね」
「ですがセドリックが来てくれて」
そうなってというのです。
「一変しました」
「こんなに明るくなったんだね」
「そうでした」
「お祖父様はとてもいい人ですよ」
セドリックはとても明るい笑顔で言いました。
「誰にとっても」
「そうなったのは全てセドリックのお陰です」
伯爵さんは優しい笑顔で言いました、そんな和気藹々として明るい状態でお昼ご飯を食べました。そうしてです。
その後は領地の中を巡りましたが愛犬と一緒に皆を案内してくれるセドリックは今も伯爵さんと一緒にいつつこんなことを言いました。
「お母さんもいて」
「あっ、あの人だね」
魔法使いはその人のことを言われて頷きました。
「あの人は確か今は」
「はい、お屋敷に住んでいまして」
「一緒にだね」
「今丁度麦畑に行っていて」
そうしてというのです。
「畑仕事をしている人達のお手伝いをしています」
「そうなんだね」
「お母さんは色々なお仕事をするんです」
セドリックはお母さんのお話をさらにしました。
「畑仕事だけでなく」
「他にもだね」
「ものを運んだり書類のお仕事をしたり」
「何でもするんだ」
「お掃除もお洗濯も」
そうしたものもというのです。
「何でもです」
「そうなんだね」
「アメリカにいた時と同じで」
そうであってというのです。
「本当にです」
「何でもするんだね」
「そうなんです」
「じゃあ今から麦畑に行こうか」
そうしようとです、魔法使いは提案しました。
「セドリックのお母さんがいるね」
「そうしていいですか」
「うん、セドリックにとって大切な人だね」
「お祖父様と同じ位」
その伯爵さんを見て答えました。
「そうです」
「そうだね」
「それじゃあ」
「はい、これから」
「麦畑に行こうね」
こうお話してでした。
皆でその麦畑に行きました、するとそこで農家の人達がとても楽しそうに明るく働いていてその中にです。
ウィンキーの黄色のつなぎの作業服を着たとても優しい感じの大人の女の人がいてそうしてでした。
その人は刈った麦藁を整理する中で一行を見て言いました。
「ドロシー王女ですか」
「ええ、お久し振り」
「すいません、お仕事中で正装でなくて」
「いいわ、お仕事の時はね」
ドロシーは畏まるセドリックのお母さんに微笑んで応えました。
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