第31話:アリューシャの悲劇
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するが、これ以外に方法が無いなら、これを選択するしかないだろ!
「眼をお覚まし下さい。この里を襲う敵は既にこの世を去りました。もう、長老の本来の意思を邪魔する者―――」
「がうがぁーーーーー!」
私の腹に……強烈な鈍痛が襲い掛かった……
「ちょう……ろう……な……ぜ……」
駄目だ!
ここで手を放せば、こいつらが長老を殺してしまう。
手を放すな!
手を放すな!
手を……放す……な……
月鍔ギンコperspective
やはり、アリューシャ殿には親殺しは無理であったか?
「セツナ殿、この村の者にやはり親殺しは無理の様ですな」
某の言葉にセツナ殿が苦虫を噛み潰した顔をしておりました。
「何故割り切れない!?この里の長老に罪を重ね続けさせる気か?」
「その台詞、余所者である某達だから言える事ですぞ」
「だが!……この里の長老がこの里を滅ぼすなんて、どんな冗談だよ」
……所詮は生きる世界が違うと言う事であろうか?
なら……
「某が……お相手します」
その途端、やはり周りのえるふ達が某を説得しようとします。
「まさか!?長老を殺す気か!?」
「今はまだ、グロブの呪術の影響が残ってるだけだ!それさえなければ!」
「そうだ!捕縛して正気になるのを待つのだ!」
改めて、この村と某は生きる世界が違うな。
もしこの村の者達が、某が請けた父上からの最期の試練を越えねばならなくなった時、彼らは武器を持つ事が出来るのであろうか……
……無理だろうな……
それはつまり、自分の父親をこの手で殺める事を意味するのだから……
けど、セツナ殿の言い分である「これ以上この者に罪を犯させるな」の意味も、某は解ってしまう。
この者は、自らが手塩に掛けて育てたこの村を自らの手で滅ぼすのだ。
もし、本当にこの者を正気に戻す方法が在ったとしても、子殺しの罪とそれに伴う心の傷は癒えまい。
だから、子殺しの罪に圧し潰される前に楽にしてやれと?
「許せ!長老!」
その時、この村の長老に弓引く者が現れました。
「エドン!?何を!?」
「仕方あるまい!このままでは、俺の娘まで長老に殺される!」
「なら、その前に捕縛して―――」
「それに、正気に戻った長老がこの惨事を許すと思うか!?」
エドン殿のこの言葉は、某にこの村の長老を殺す為の最後の一線を越えさせました。
「……了解した」
そして……
某はすれ違い様にこの村の長老を斬り斃しておりました……
「ありがとう」
この村の長老の最期の言葉、某はしかと聴き取りましたが……
アリューシャperspective
私は、ベットの上で目を覚ました。
「ここ……」
そして、私は長老の事を思い出して慌てて飛び起きた。
「そうだ!長老は!?長老はどうした!?」
それに対し、
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