第二章
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「ちょっと」
「生のお肉はなんだ」
「食べたことがないですしあたりませんか」
「よく冷凍してあったら大丈夫だよ」
「ブラジルではお肉が主流ですが」
「生ではだね」
「まず食べないので」
だからだというのだ。
「不安ですが」
「そうだね、けれどね」
「興味があったらですか」
「食べたらいいよ、馬刺しとかもね」
「食べるといいですか」
「それはそれで美味いから」
「わかりました」
アントニオはそれならと頷いた、そして同僚達と共に飲みに行った時に決意してそのうえで肉寿司を注文して。
内心かなり怖かったが覚悟を決めて神に祈ってだった。
食べた、すると。
「美味しかったです」
「肉寿司もいいね」
「はい」
翌日前川に答えた。
「本当に」
「そうなんだ、肉寿司もね」
「美味しいですね、一緒に馬刺しも食べましたが」
「そっちもよかったね」
「はい、生のお肉もいいですね」
「うん、ただアントニオ君が心配した通りに」
前川はこう言うことも忘れなかった。
「しっかり冷凍して衛生もね」
「いいものじゃないとですね」
「食べないことだよ、生の鶏肉や豚肉を食べられるお店もあるけれど」
「そうしたお店は特にですね」
「注意してね、衛生的に問題なくても身体の調子が悪いなら」
そうであるならというのだ。
「食べない」
「そうすることですね」
「そうだよ、そこは気を付けてね」
「はい」
アントニオは素直に答えた。
「そうしていきます」
「くれぐれもね、そのうえでね」
「普通のお寿司やお刺身に」
「肉寿司や馬刺しとかもだよ」
「楽しんでいきます」
「そうしていってね」
「日本にいる間は」
前川に確かな顔と声で答えた、そうしてだった。
日本にいる間寿司や刺身だけでなく肉寿司や馬刺しも楽しんでいった、だが信頼のある店でだけ食べて体調が悪いと我慢をした。そうして食中毒にならずにそうしたものを楽しんで日本で暮らせたのだった。
肉寿司への拒否感 完
2024・10・22
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