第一章
[2]次話
窓越しに仲良し
ブラシルリオデジャネイロの話である。
医師のクロヴィス=マルケス初老のアフリカ系のン彼はマンションの十四階で暮らしている。その彼にだ。
妻のイザベラ、やはり初老のアフリカ系の彼女が言ってきた。
「また来てるわ」
「ああ、そうだね」
「ケエ」
「クェ」
家の窓の方を見るとだ。
そこに二羽の隼がいた、中南米に広く分布しているカンムリカラカラという種類でメキシコの国鳥でもある。
その二羽が窓に来るとだ。
「ニャア」
「ニャンヤン」
すぐにだ、家の猫である黒の雌猫のフリーダと白黒の雄猫のフィデルがだった。
窓の方に来てだ、そのうえで。
二羽と向かい合った、そして窓越しに嘴と口を寄せ合ったりだ。
足を足を重ね合わせて遊びだした、二人はそんな彼等を見て話した。
「いや、最初はね」
「隼が来てね」
「こんなところに来るなんてと思ったけれど」
「それが毎日になってね」
「フリーダとフィデルが窓に来て」
「仲よくなってね」
「ああして遊ぶ様になるなんて」
「思いも寄らなかったわ」
「けれど」
それでもとだ、夫は妻に話した。
「見ていていいね」
「私達もね」
「特にフリーダが仲よしで」
「真っ先に行くし」
「見ていてね」
「微笑ましいね」
「私達もね」
こう妻に言うのだった。
「本当に。だからね」
「だから?」
「これからもね」
妻にこうも言った。
「彼等が仲良く出来る様に」
「私達のやれることをやっていきましょう」
「そうしよう、折角来てくれるし」
二羽がというのだ。
「そしてフリーダとフィデルも喜ぶし」
「それならね」
「私達のやれることをやっていこう」
「家族として」
夫婦で話してだった、二人が出来ることをしてそれからも二羽と二匹が仲良く遊べる様にマンションにいられて二匹が幸せに暮らせるだけ頑張っていったのだった。
この話をだ、アメリカイリノイ州で暮らすミカエラ=アントワーヌ長い黒髪と黒い目を持つスタイルのいい彼女は聞いてだった。夫のシャルルブロンドの髪と青い目の細面で長身痩躯の彼に言った。二人でピエトロを経営している。
「うちと似てるわね」
「確かに」
夫は妻のその言葉に頷いた。
「言われてみれば」
「そうよね」
「そんな話が他にもあるんだね」
「そうね」
「うちの子達も」
ここでだ、夫は家の猫達を見た、見ればだ。
三匹の黒猫と一匹のクリーム色の猫がいる、黒猫は皆雄でクリーム色は雌である。雄の三匹はペレアス、ホメロス、ヘラクレスといい雌はエレクトラという。
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