切っ掛けは恐怖
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鹿野郎…俺はもう盗賊じゃねーよ!世界を平和にする勇者アルルに同行する、戦士カンダタだ!それに…カンダタ盗賊団は壊滅したんだ………」
「か、壊滅!?だ、誰がそんな事を……ロマリア王国か!?…それともイシスが大軍を派遣したんッスか!?」
「お前をとっ捕まえた男だよ」
溜息と共に話すカンダタ…
「くそっ!あいつ〜………兄貴!野郎を許す訳にはいかねぇぜ!寝首をかいてでもぶっ殺すべきッスよ!何だったら家族や仲間を人質を取るって手もありますぜ!オレッちは兄貴の為なら何だってやりますから!」
「カンダタ………このアホには、ハッキリと言った方が良いわよ!何も分かってないから」
一人盛り上がるバコタを、醒めた目で見据えながらモニカが呟く。
「バコタ…さっきも言ったが、俺は盗賊をやめたんだ!盗賊団を再結成させる気も無いし…何より、お前を捕まえた男…リュカと言うんだが、その男と俺は今や仲間同士なんだ!あの人を殺ろうとは思わないし、勝てるとも思えない。お前も心を改めて、真面目な人生を送るんだな」
「な、何ふ抜けた事言ってんですか!?まさか兄貴…あの野郎にビビってんじゃないでしょうね!?」
カンダタの言葉に驚きながらも見下した口調で尋ねるバコタ。
「バカ言うな!………って言いてぇが、その通りだ。正直切っ掛けはあの男が怖かったからだ…盗賊団を壊滅させられた時、俺は泣きながら命乞いをした!それはもう情けない姿でな。仮に俺とお前が手を組んで、盗賊団を以前のものより強力にしたとしても、あの人には勝てねぇだろう……俺はそんなあの人が怖い!」
カンダタは穏やかな表情でバコタに語りかける。
「ちっ!暫く見ないうちにヘタレたもんだ!じゃぁ勝手にしろ!ブルって正義の味方の真似事してろ!!」
バコタはカンダタに向け唾を吐き捨て、牢の奥に引っ込みふて腐れてしまう。
アルル達もこれ以上ここに居る用は無いので、町へ戻ろうとバコタの居る牢に背を向け歩き出した。
だが彼氏をバカにされたモニカは気にくわないらしく、牢屋から出る直前にバコタへ向けて嫌味を言った。
「ふん!偉そうな事を言ってるが、アンタはこのラダトームでも囚われてるじゃないの!そんなヤツと手を組んだって、失敗率が上昇するだけだろうに!ヘタレより質が悪いね!」
「うるせぇ!これまた運が悪かったんだよ!トロそうな女と歩いている男が、あの勇者オルテガだなんて分かる訳ないだろ!…だいたい死んだハズじゃないのかよ!」
何気ない一言…バコタにしてみれば何気ない一言だったのだが、アルル達には重大な一言だった。
帰り去ろうとしていたのだが、凄い勢いで牢に戻り、鉄格子を壊しそうな勢いでバコタに確認する。
「オ、オルテガって言った、今!?ど、何処に居るのよ!勇者オルテガは何処に居るの!?」
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