第二章
[8]前話
「問題ない時はね」
「その時はですね」
「書いてね」
「わかりました、字が汚くてもですね」
徳井は黒田の言葉を聞いて言った。
「幾らでもですね」
「そう、やり方があるから」
だからだというのだ。
「気にすることもないわ」
「そうなんですね」
「字が奇麗な人もいれば」
それと共にというのだ。
「どうしてもって人もいてそれはね」
「それは?」
「個性の問題だから」
それでというのだ。
「いいわ、やっぱりどうしてもね」
「字のことはですか」
「仕方ない場合はあって」
「私はそうですか」
「それぞれの人で何かね」
黒田はさらに言った。
「あるから。何もない人なんてね」
「ないんですね」
「私なんか絵が全然駄目なのよ」
徳井に苦笑いで話した。
「だから絵を描いたことないでしょ」
「そういえば」
徳井も言われて頷いた。
「園長先生はそうですね」
「子供の頃から全然駄目で」
絵はというのだ。
「それでね」
「今もですか」
「描かないのよ」
絵が得意な徳井と違ってというのだ。
「だからね」
「どんな人もそれぞれですか」
「何かあるから。だから徳井先生も字のことはね」
「気にしないことですか」
「基本ワープロ科パソコンを使えば問題ないし」
このこともあってというのだ。
「どうしてもっていう時だけ書いてね」
「そうしていきます」
「ええ、じゃあね」
「これからも先生の仕事やらせてもらいます」
「宜しくね」
黒田は笑顔で応えた、そうして徳井にパソコンで文章を作ってもらった。その文章は読みやすく理解しやすく非常にいいものだった。
字が汚くても 完
2024・10・21
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