第八十六話 たらし達その六
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「それでな」
「身体が腐ってな」
「鼻も落ちるわ」
「それが症状やな」
「他にも色々あるけどな」
「鼻が落ちるとは限らん」
「スメタナさんやシューマンさん達もなってる」
この音楽家達もだ。
「耳が聞こえん様になったり発狂したり」
「そうした場合もあるな」
「身体が爛れて鼻が落ちる場合もあれば」
「そうなったりもするな」
「そやな」
「しかし伊藤さんはな」
彼はというと。
「どうも相手の人も見てたらしくてな」
「梅毒になってへん人をな」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「ならへんかったみたいやな」
「遊郭やなくて芸者さんが好きで」
それも無名で他の有力者と関りのない様な芸者とだ、そこを考慮しているのも伊藤という人間であるのだ。
「それでな」
「梅毒にもならんで」
「やっていけてた」
「そうやな」
「そうした遊びはリスクが大きい」
「ほんま性病にもなるな」
「こっちの世界にもあるしな」
性病はというのだ。
「幸いペニシリンがあるが」
「術で回復も出来るしな」
「そやけどな」
治る病気であるがというのだ。
「危険なことはや」
「同じやな」
「その対策もね」
性病に対するそれもというのだ。
「ほんまな」
「大事や」
「それをせんとな」
リーは話した。
「性病が流行ってな」
「国全体に影響するわ」
「そうなるさかいな」
だからだというのだ。
「他の感染症と同じで」
「性病もな」
「しっかりとやってきた」
政の中でというのだ。
「対策をな」
「それも必要やしな」
「梅毒が多かったら」
「ちゃんと政として対策する」
「ペニシリンを用意して」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「国民の人達にも話す」
「どう対策すべきかをな」
「まず不特定多数の人とそうしたことせん」
芥川はここから話した。
「そしてゴムはな」
「ちゃんと使う」
「僕等誰も使ったことないけどな」
「十星連合のモンはな」
「使う様な話自体がや」
その時点でというのだ。
「ないさかいな」
「ほんまな」
「それでや」
そうした状況だからだというのだ。
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