第八十六話 たらし達その四
[8]前話 [2]次話
「これがな」
「そやったな」
「衣食住はこだわらんでな」
「政敵でも声かけて」
「人懐っこくてな」
「おもろい人やったな」
「それで河豚も食って」
下関でのことだ。
「お店の人がこれしかなくてと謝ってもな」
「美味かったって笑って許して」
「そこからや」
「河豚食うのよおなったな」
「そうなったわ」
「その話もおもろいな」
「オーストリアでリストさん口説こうとしたし」
日本に来て欲しいとだ。
「そうしたこともしたしな」
「あのリストさんやな」
「ワーグナーさんのお義父さんでもあるな」
「その人やな」
「そうもしたしな」
「ほんま痛快な人やな」
「それで実は最初はな」
芥川はさらに話した。
「農民の家やってん」
「それが武士のお家に養子に入ったな」
「お父さんがな」
「それからやな」
「ほんま人の一生はわからんもんで」
「松下村塾に入って」
「吉田松陰さんに愛嬌があるって言われて」
そうしてというのだ。
「宰相の器やって言われて」
「ほんまになったな」
「そんな中々以上にな」
「漫画みたいな人生歩んでるな」
「それで李もな」
韓国の星の者である彼もというのだ。
「好きやしな」
「そう言ってるな、あいつも」
「日韓併合実は反対してたしな」
若し併合したならば日本が大変な不利益を被ることになると見抜いてだ、尚もう一人の実力者山縣有朋も併合に消極的だった。
「実際は」
「あの併合な」
トウェインが言って来た。
「ほんまやったらあかんってやな」
「伊藤さん常に言うてた」
「そやったな」
「新渡戸稲造さんが経営プラン持って来てもな」
台湾統治の経験を活かしてだったらしい。
「そやけどな」
「やるべきやないってやな」
「しっかり話した」
「懇々とやな」
「そうした」
実際はというのだ。
「あの人はな」
「そやったな」
「わかってる人やった」
「併合についても」
「それでちゃんと半島の人達も尊重してたしな」
「それで李もやな」
「あいつもわかってるしな」
日韓のそうした歴史をというのだ。
「それでや」
「伊藤さん好きやな」
「むしろ韓国にや」
自分の祖国にというのだ。
「ああした人がこれから出て欲しいってな」
「思ってるな」
「そや、ああした人が出たら」
芥川はトウェインに話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ