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神々の塔
第八十六話 たらし達その一

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                第八十六話  たらし達
 次の神霊達は日本の幕末から明治の元勲達であった、その中に伊藤博文それに坂本龍馬もいることを確認してだった。
 アレンカールは笑ってだ、こんなことを言った。
「女好きの人達ね」
「伊藤さんも竜馬さんもやな」
「ええ、伊藤さんは有名やけど」
「龍馬さんもな」
 芥川は冷静な顔で答えた。
「あれで結構な」
「女好きだったのよね」
「それが過ぎてか」
 芥川はさらに話した。
「瘡毒、梅毒になってたとかな」
「そうしたお話もあるのね」
「あくまで一説やけどな」
「女遊びをしていて」
「芹沢鴨さんにもそうした話あるけどな」
「先に戦ったわね」
「鷹揚で器の大きな人やったな」
 こうアレンカールに言った。
「あの人は」
「ええ、悪い印象は受けなかったわ」
「実際ああやったらしいしな」
「創作では酒乱で粗暴でもよね」
「確かに酒乱の気はあったけどな」 
 このことは事実でもというのだ。
「それでもな」
「実際は親分肌で器が大きくて」
「人望を集めやすい人やったんや」
「そうやったのね」
「それであの人もそうした話があって」
 梅毒説がというのだ。
「それで龍馬さんもな」
「あるのね」
「ほんまかどうかわからんけどな」
 それでもというのだ。
「それで髪の毛が抜けてたとかな」
「そうした風になってたの」
「暗殺された時も」
 この時もというのだ。
「梅毒で動きが鈍くなっててな」
「やられたって言われてるのね」
「あれはかなりの手練れがやったらしいが」 
 事件当時は新撰組説が支配的だったが今は否定されている。
「それでもな」
「梅毒で」
「動きが鈍くなっててともな」
「言われてるのね」
「ああ、これはあくまで一説や」
 徳富蘆花の兄徳富蘇峰が言っていることだ。
「ほんまかどうかはな」
「わからへんのね」
「そうやがそれなりに遊んでことは事実で」
「女好きだったのね」
「それで伊藤さんさんになるとな」
 伊藤博文はというと。
「もうな」
「相当よね」
「歴史に残る位のな」
 そこまでのというのだ。
「凄まじいな」
「女好きよね」
「そっちでも有名やからな」
「天性の女たらしね」
「それで済まへんでな」 
 伊藤博文、彼はというのだ。
「ホモやないが」
「男の人もね」
「政の世界でな」 
 そちらでというのだ。
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