暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第224話:メロディーに隠されたもの
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る様な輝彦の言葉に、慎次も表情を引き締める。今回の行動は秘密裏に行っていた為感付かれてはいないと思いたいが、相手側に魔法使いがついているとなると油断する事は出来ない。
 同時に慎次は輝彦に感謝した。今のは恐らく、弦十郎達の思考を逸らす為の彼なりの気遣いだったのだろう。風鳴機関、そしてその長である訃堂が何らかの不正を行っていた事を悩む弦十郎を、一時とは言え悩みから解放する為の発言でもあったのだ。

 その気遣いが、結果的に慎次を危機から救った。

「――――ハッ!?」

 不意に頭上から察した殺気。咄嗟にハンドルを切ると、直後に先程まで彼の乗る車の進行方向だった場所に無数の光の矢が突き刺さった。矢が突き刺さった場所は爆発し、コンクリートの道路を粉砕する。

 それが敵の魔法使いの攻撃である事に気付いた慎次は、車が敵の攻撃を受けない様にとハンドルを絶えず切りながら通信で状況の報告と救援を求めた。

「くっ!? 敵襲ですっ! 目的は恐らく証拠物件の奪取か隠滅と思われます!」

 生憎と車内からは頭上の様子が分からない。だが後方の護衛車両が次々と撃破されていく様子がバックミラーに映る様子から、敵は複数いるのだろう事が伺えた。

 その襲撃者……メデューサは、部下のメイジ達に残る慎次の車への攻撃を命じた。

「必ず仕留めなさい。今あの男との関係が知られたら面倒な事になるわ。証拠物件も纏めて吹き飛ばして構わないわ」

 残されたのは慎次が運転する車のみ。たった1台の車に、総勢5人の琥珀メイジが群がり四方から攻撃を仕掛けようとした。
 だが現代の忍者である慎次は、車の運転も尋常ではなかった。彼はアクション映画も真っ青な運転テクニックで、ギリギリのところでメイジ達の攻撃を躱し時には車を側転させるなど常識外れの動きで逆に敵を翻弄してみせた。

 あまりにもとんでもない動きを見せる慎次の車に、業を煮やしたメデューサが一気に片をつけようとバニッシュストライクの魔法を発動。巨大な魔力球で、道路や周囲のビルごと慎次の乗る車を吹き飛ばそうとした。

「終わりよ!」
〈イエス! バニッシュストライク! アンダスタンドゥ?〉

 頭上から迫る魔力球。当たれば跡形もなく吹き飛ぶ威力のそれが直撃しそうになる寸前、信じられない事に慎次の乗る車が3台に分身し攻撃を回避してしまったのだ。

「な、ぁ……!?」

 分身した車はギリギリのところでメデューサの魔法の威力から逃れ、道路は大きく抉られたが車は無事にその場から走り去ってしまう。その光景にメデューサも唖然と見送ってしまった。

「あれに乗ってるのはまさか魔法使い? いや、あんな魔法聞いた事も……って! ぼんやりしてる場合じゃないわ!」

 慌てて部下と共に車を追おうとしたメデ
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