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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第224話:メロディーに隠されたもの
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マリア。それは彼女だけではなかった。歌をリクエストしたガルドも、そして目を瞑り歌に耳を傾けていた翼も、何かを感じ取ったのかマリアに注目した。尤も、感じた違和感の程度には違いがあったのか、ガルドがマリア同様何かを掴んだような顔をしているのに対して、翼は歯の間に物が挟まったような異変を感じた程度だったようだが。
「このフレーズ……最近何処かで聞いた様な……」
「マリアもそう思うか? 俺もだ。だが何処だ? 何処で聞いた?」
「むぅ……」
***
装者や魔法使い達が次の戦いに備えている頃、サポートスタッフでもある慎次は別命を受けてある物を受け取っていた。
先日ヴァネッサ達が隠れ家としていた廃棄物処理場跡、そこの残骸を調査している時に発見した物を調査機関に預け、その結果を現物と共に受け取っていたのだ。
そのある物とはズバリ、アンティキティラの歯車。そう、パヴァリア光明結社の長であるアダムがオートスコアラーのティキに組み込んでいた聖遺物だ。最終決戦の最中に破壊されたティキから破損した状態で飛び出た歯車は、戦闘終了後に回収され保管されていた筈なのである。
その保管されていた筈の聖遺物が、あんな場所に落ちていたのはどう考えてもおかしい。似た形状の何かである可能性も考えて調査をしてもらったのだが、結果は間違いなく件の歯車である事が分かった。
これが意味しているのはつまり…………
「やはり、鎌倉とジェネシスないしあの錬金術師達の間には、何らかの?がりがあるとみて間違いないでしょうね」
ハンズフリーで運転しながら慎次がそう口にすると、通信機の向こうからは弦十郎の腹の底から押し出すような溜め息が聞こえてきた。
正直な話、そうと思いたくはなかったと言うのが弦十郎の率直な意見であった。曲がりなりにも国を守る為の組織が、国や民を危険に晒す組織と結託しているなどとは。
だがここまで証拠が揃ってしまえば、もう言い逃れも出来よう筈がない。保管された聖遺物が強奪されたなどの報告はない筈なのに、物が敵対組織の手に渡っていたのだ。どう考えても横流し以外にはあり得ない。そしてそれが出来る人物となると、最も考えられる人物はただ1人。
『考えたくはなかったな。その一線だけは超えないと、思いたかったのだが……』
心苦しそうに呟く弦十郎に、車の運転をする慎次も苦虫を噛み潰したような顔になる。何と言葉を掛ければいいか分からないのだ。
通信機越しに重苦しい雰囲気を感じていると、慎次の耳に輝彦の声が入ってきた。
『今はそれよりも、証拠物件を確実に持ち帰る事の方が先決だろう。向こうだって馬鹿ではない、自分達が不利になる様な代物が持ち出されるのを黙って見ている事はしないだろう』
窘め
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