GGO編
九十九話 少年の内は何を宿すか
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アバター名。もしかしてシノンって言わねえか?」
涼人が喰い気味に聞くと、新川は驚いたように少し下がり、コクコクと頷く。
そうして涼人は……思わず吹き出した。
「っはははは!何だよ!そんな近くに居たのか!っはは!いやぁ世間って狭ぇのな!って事はお前シュピーゲル!?」
「は、はい。あの、どこかで会いました?」
新川が軽く引くように戸惑いながら聞くと、涼人はくくく……と笑いを抑えながら何とか答える。
「い、いやすまんすまん。昨日在ったろ?俺だよ。リョウコウ」
「え、あ、あぁ!」
今度こそ、新川は心底驚いたように声を上げる。
「あの赤毛の……」
「それは言うな……」
涼人が凹み気味に言うと苦笑しながら新川は返す。
「って事は。貴方も出場選手なんですよね……」
「まぁな。って……そう言うお前は何で出ねえんだよ?」
涼人が聞くと、新川は苦笑しながら頬を掻く。
「まぁ、僕はAGI型だし、装備もレアな物持って無いしで……今の環境でAGI型が勝ち抜こうなんて、土台無理なんですよ」
「おいおい……」
涼人は眉をひそめた。彼の言い分に違和感を覚えたからだ。
「装備だステ振りだって……お前そんなんプレイヤースキルとか、戦術次第でどうにでもなるぞ?」
「なりませんよ」
涼人の言葉を遮るように新川が食い付いた。一瞬目をそらした後、強い視線で正面から涼人を睨みつける。
「桐ヶ谷さんは、自分があんな高いSTR持ってて、M2やXM29みたいなレア銃を二つも持ってるからそんな事が言えるんだ」
「っは、呆れたぜ」
鼻で笑うようにして今度は涼人が新川を見下ろすように見る。
「自分が勝てねえのを装備とステ振りのせいにしてるだけじゃねえか。昨日戦った内、二人はAGI型だったけどな、二人ともお前みたいなヘタレじゃ無かったぜ」
「その二人はレア銃を使ってた!」
噛みつくように言う新川だが、涼人が動じる様子はない。
「そいつらもレア銃無かったら雑魚だとでも言うつもりかよ?っは。話になんね。バカにすんのも大概にしろよ」
珍しく、涼人の口調がやけに挑発的になっている。それはまるで、新川の言い分のどこかに、彼のかんに障る部分が在るかのようにも見える。
「アンタに、なにが分かるんだ……!」
遂に新川がズカズカと涼人に詰め寄った。その顔は明らかに、涼人の不遜な言い草に怒って居るように見える。
「しるか。ヘタレは一生街でくすぶってろ」
「僕が勝てないのは僕のせいじゃない!!」
その言いぐさに、今度は涼人が怒鳴った。
「なら証明してやろうか!?」
「……!?」
「要は、ステ振りも装備も戦闘結果に関係ねぇって証明すりゃ、お前が勝てねえの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ