GGO編
九十九話 少年の内は何を宿すか
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「そのままの意味。かな」
「そいつはどうも。で?何話してたんだ?」
と、今度は涼人が首をかしげながら尋ねる。と、詩乃は一瞬思案顔になり、肩をすくめた。
「ちょっと。ゲームの話」
「ほぉ!お前ゲームするようになったのか!って、なんだ?新川の勧めか?」
言いながら、涼人が新川の方を向くと、新川はさして面白くもなさそうに頷く。ちなみに彼、涼人と詩乃が話している間ずっと涼人の事を睨んでいる。
流石に涼人も先程から彼を蚊帳の外に出している感がひどかったため話しを振ってみたのだが……印象が回復する様子はなさそうだ。
「えぇ。まぁ」
「へぇ、タイトルは?」
「あ、えっと……」
涼人が聞くと、詩乃は少し戸惑ったように目を逸らす。そこに、新川が割り込んだ。
「ガンゲイル・オンラインってタイトルですけど。何ですか?」
「あ、あぁ!?」
言われて、涼人は色々な意味で驚き、に詩乃を見た。恐らく悪気なく言ってしまったのだろうが、涼人に隠しておきたかったのか。詩乃は戸惑ったように新川を見、涼人を見る。
「お前、大丈夫なのか?」
「ん、うん……」
「朝田さん、この人は……」
「え、あ、知ってる……よ」
詩乃がそう言ったと同時に、新川がリョウを睨む。その顔は明らかに「アンタもこの子に何か言うのか」と言いたげだ、リョウは苦笑すると……
「安心しろよ。俺はんなことでこいつになんか行ったりするほど小せぇ人間じゃねぇつもりだからよ」
「……そうですか」
新川は一瞬再び涼人を睨みつける。が、その後は特に涼人を睨むつもりも無いらしく、居たって普通の態度だった。
「けどよ、なんでわざわざFPSプレイしてんだ?マジで大丈夫なのか?」
「うん。ゲームの中なら、なんとか。リハビリのつもりでやってるんだ」
「へぇ〜」
涼人は感心したように声を出した。特に嘘をついたり無理をしている様子は無い。事実なのだろう。
「ま、リハビリなら良いけどな。俺も今それプレイしてっから、ビビったぜ」
「え、えぇ!?」
驚いたように声を出す詩乃に、涼人は苦笑する。
「ま、ちょいと事情合ってだから、近いうちにコンバートする予定なんだけどな。縁が有った、一回くれェ一緒にフィールド出ようや。お前のゲームセンス見てやるよ」
「う、うん……」
詩乃はいまだに衝撃が抜けないようで、少し固まっていたが、やがて不意に時計を見ると、驚いたように声を上げた。
「あ、そろそろ行かないと!それじゃりょう兄ちゃん、ありがとね!器今度返すから!」
「おーう。んじゃな」
「新川君、また後で!」
「あ、うん!」
そう言いながら、詩乃は小走りに公園の外へと駆けて行った、公園内には、涼人と新川だけが残り、一陣の風が吹く。と、先程の会話を聞いてから未だに睨んでいた
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