第三十八話 狭い道を歩いてその九
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「いいと思うわ。ただね」
「ただ?」
「織田作さんの作品って清濁あるから」
だからだともだ、夜空は話した。
「悪いことをしたりもね」
「するんだね」
「柳吉さんもお店もお金使ったり」
そして蝶子にしこたま殴られるのだ。
「他の作品でもね」
「そんなことするんだ」
「弱い人が多いから」
作品の登場人物はというのだ。
「だからね」
「悪いこともするんだ」
「お金持ち逃げする様な」
「それ犯罪だね」
「けれどそうしたことをね」
「する人多いんだ」
「だらしない人が多いから」
そうであるからだというのだ。
「ついついね」
「悪いことをしてしまうんだ」
「ばれたらクビになる様な」
会社をというのだ。
「そんなことする人もね」
「出るんだね」
「けれどそんなことはね」
「したらいけないね」
「流石に殺人とかはしないけれど」
凶悪犯罪はないというのだ。
「まずね」
「それでもお金使い込むとか」
「そんな悪事はあるから」
「そうしたことはだね」
「したらね」
それはというのだ。
「やっぱりね」
「したら駄目だね」
「ええ、幾ら弱くても」
そしていい加減でもというのだ、夜空はモラルに当てはめて考えてそのうえで佐京に対して話していった。
「犯罪はね」
「したら駄目で」
「しないでいてね」
それでというのだ。
「やっていかないとね」
「駄目だね」
「流れ流れていい加減でも」
「犯罪はしない」
「それはね」
絶対にというのだ。
「守って」
「生きていくことだね」
「恰好よく生きるなんてね」
そうした生き方はどだ、夜空は笑って話した。
「それはね」
「無理だね」
「ご先祖様は出来たけれど」
猿飛佐助はというのだ。
「幸村公も他の十勇士の方々も」
「どの方も恰好よかったね」
「けれど意識してね」
「格好良く生きていたか」
「そうかっていうと」
それはというと。
「そうじゃなかったかもね」
「大阪の陣があったから」
「そうよね」
夜空は佐京の言葉に頷いた。
「出来たら平和に戦もなく」
「どの方も穏やかに生きたかったかもね」
「どの方も戦がお好きだったか」
幸村も十勇士達もというのだ。
「それはね」
「どうだったか」
「戦は恐れなかったけれど」
「好戦的だったか」
「そうではなかったみたいだし」
だからだというのだ。
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