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博士の挑戦状
第百八十九話

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               第百八十九話  虫はいい 
 そのドローン達はまさに昆虫だった、小田切君はその昆虫にしか見えたいドローン達を見つつ博士に言った。
「外見も生きもので」
「まさに昆虫じゃな」
「そうとしか見えません」
「それを意識してじゃ」
 博士は小田切君に笑って話した。
「わしもじゃ」
「開発されたんですね」
「そうなのじゃ」
「機械ではなくですね」
「中身は機械でもな」
 それでもというのだ。
「外見はじゃ」
「生きものにしたんですね」
「完全にな」
「そこは変えたんですね」
「そうなのじゃよ」
「そこは流石ですね」
「動き方もな」
 それもというのだ。
「完全に昆虫にしておる」
「だからほぼわからないですね」
「勿論検査温度等の反応もな」 
 これもというのだ。
「機械ではない」
「そこも徹底していますか」
「そこまで考えて開発したのじゃ」
「そこは博士ですね」
「伊達に知能指数二十万ではないぞ」
「しかも二百億年生きておられるので」
「それ位はな」
 まさにというのだ。
「わしにとっては造作もないことじゃ」
「そういうことですね」
「それでこうしたドローンも開発してな」
「動かしてるんですね」
「運用しておる、その運用もじゃ」
 こちらもというのだ。
「AIを搭載してな」
「自分で動く様にしていますか」
「そうじゃ、ただ一日一度はわしのところに戻る様にじゃ」 
 その様にというのだ。
「インプットもしておるしその集めた情報はな」
「博士のところに行く様にしていますか」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「だからブリーフ13のこともわかる」
「そうですか」
「そういうことじゃ」
 こう言うのだった、小田切君はその話を聞きつつまたドローンを見た。するとやはり昆虫にしか見えなかった。


第百八十九話   完


                      2024・8・2
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