第四幕その三
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「今回は来て頂いて何よりです、我が国をです」
「見ていいのね」
「隅から隅まで」
「それでは案内もしてくれるかしら」
「是非共」
「僕もご一緒させてもらって宜しいでしょうか」
小公子も言ってきました。
「この度は」
「勿論よ」
ドロシーは小公子にも応えました。
「それではね」
「はい、まずはお屋敷の中を案内させてもらいますね」
「宜しくね」
「そうだね、僕達はこのお屋敷のことを知っているけれど」
ドロシーの足元にいるトトが応えました。
「けれどね」
「それでもね」
「ナターシャ達は違うからね」
「それでよ」
だからだというのです。
「今回はね」
「まずはお屋敷の中をだね」
「セドリック達に案内してもらって」
そうしてというのです。
「それからね」
「あらためてだね」
「そう、お庭も案内してもらって」
「国の中もね」
「そうしてもらいましょう」
「それじゃあね」
トトはドロシーの言葉に頷きました、そうしてでした。
一行はお屋敷の中を案内してもらいました、その中は臆病ライオンとジャックがお話した通り古風な木造建築で清潔で上品でいてです。
「古風でね」
「何か落ち着いてるね」
「充実していて」
「静かで」
「雰囲気がいいわね」
「ははは、これが十九世紀のイギリスだよ」
伯爵さんは案内しつつナターシャ達五人に笑ってお話しました。
「気に入ってもらえたみたいだね」
「はい、とても」
「これが当時のイギリスですね」
「貴族の人のお屋敷ですね」
「凄くいいですね」
「ずっといたい位です」
「そう言ってくれて嬉しいよ、君達はこの国に来たのははじめてだが」
それでもと言う伯爵さんでした。
「気に入ってくれたならね」
「嬉しいですか」
「伯爵さんも」
「そうなんですね」
「僕達がこのお屋敷を気に入って」
「そうなんですね」
「わしの家だからね」
だからだというのです。
「やっぱりだよ」
「気に入るとですね」
「好きになるとですね」
「それで、ですね」
「嬉しいですね」
「そう言われると僕達もですし」
「自分の家を好きになってもらうと嬉しいのは誰でもだよ」
まさにというのです。
「もうね」
「そういうことですね」
「実際にいいお屋敷です」
「広いですし立派ですし」
「何かと充実していますし」
「凄くいいお屋敷です」
「しかしここはずっと暗いお屋敷だった」
伯爵さんはここでこんなことを言いました。
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