第四幕その一
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第四幕 小公子
使節団は四姉妹の国から今度は小公子の国に来ました、この国は伯爵さんが主を務めている領地が国家となったものでして。
農園や牧場があって皆のどかに暮らしています、国民の人達のお家があってです。
色々なお店があって見事なお屋敷があります、そのお屋敷の正門の前に来てかかしは皆にこう言ったのでした。
「この国が小公子の国なんだよ」
「そうなんですね」
「この国がなんですね」
「小公子の国ですね」
「何か領地っていう感じですね」
「この国は」
「そうだよ、小公子のお祖父さんがね」
この人がというのです。
「小公子の前にオズの国に来て」
「そうしてですね」
「領主さんになって」
「そしてその後で、ですね」
「小公子さんも来られて」
「一緒に住んでおられるんですね」
「そうだよ」
かかしはナターシャ達五人の子供にお話しました。
「この国でね」
「そうですか」
「街や村があるんじゃなくて」
「所々にお家があって」
「欧州の領地って感じですね」
「漫画や童話に出て来る」
「そうなんだ、そしてこの国にだよ」
かかしはさらに言いました。
「小公子がいるよ」
「そうだね、それで彼は今何処にいるのかな」
樵はかかしに尋ねました。
「それで」
「このお屋敷の中だよ」
かかしは樵にも答えました。
「僕達がこれから中に入るね」
「そうなんだね」
「だからね」
それでというのです。
「今からね」
「お邪魔するんだね」
「そうしようね」
こうお話してでした。
皆で鉄の柵に覆われた見事なお庭とその向こうにある立派なお屋敷を見ながら正門のところにある赤いボタンを押そうとするとでした。
門の方から奥に向けて開きました、そしてすぐに門の上のガーゴイルの石像から声がしてきました。
「今からかそちらに向かいます」
「その声は」
「はい、セドリックです」
こうかかしに言ってきました。
「今からお伺いしますので」
「待っていればいいんだね」
「はい」
そうだというのです。
「お待ち下さい」
「それではね」
かかしが頷いてでした。
使節団の皆も待つことにしました、するとです。
すぐに小柄で金髪のとても立派な服と帽子を身に着けた男の子が来てです、一行に頭を下げて挨拶をしました。
「ようこそいらっしゃいました」
「こちらこそ」
使節団の代表であるドロシーが応えました。
「お邪魔させてもらうわ」
「はい、それでは」
「これからね」
「何かとご覧になって下さい、お屋敷の中にです」
セドリックは笑顔でこうも言いました。
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