第二章
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「娘達も可愛がってくれるし」
「ええ、そうよね」
「何が悪いのか、礼儀正しくて紳士だしね」
「問題ないわね」
「全くだよ」
こう言うのだった、そしてだった。
夫婦は守を立派な人間だと言い二人の娘である小学六年の初音も五年の琴音も言った。二人共母親そっくりである。
「叔父さんとても優しいよ」
「怒らないしね」
「私達にお勉強よくしてくれるし」
「お小遣いもくれるしね」
「色々なこと教えてくれてね」
「とてもいい人だよ」
「そういえば守君僕達と同じ大学だったな」
夫はここでこう言った。
「八条大で」
「工学部よ」
「理系だな」
「それでエンジニアとしてね」
「八条重工で働いているね」
「そうよ、子供の頃から計算とか好きで」
それでとだ、妻は話した。
「得意だったから」
「エンジニアにもなったんだ」
「そうなのよ、そっちのヲタクでもあるのよ」
「技術系の」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「あの子本当にね」
「凄いな」
「ええ、ヲタクといって偏見を持つ人もいるけれど」
「それは間違いだな」
「そうよ、絶対にね」
「その通りだな」
夫は妻の言葉に頷いた、そうしてだった。
今は家にいる守を見た、リビングで娘達に勉強を教えているが。
「ここはこうしたらね」
「あっ、解けたわ」
上の娘が応えた。
「難しい式なのに」
「このことはこうして覚えるといいんだ」
「そうしたらいいのね」
下の娘も言った。
「それだと簡単ね」
「叔父さんの教え方わかりやすいわ」
「すぐに覚えられるわ」
「教え上手ね」
「本当にね」
娘達は笑顔で応えた、そして叔父を尊敬する目で見ていた。だが守は僕はそんなと謙遜するだけであった。だが。
夫婦はそんな彼を見て立派だと思った、そして周りには立派な弟だと紹介するのだった。
ヲタクの叔父さん 完
2024・10・19
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