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不可能男との約束
貴方は私の敵
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結果は不発。
二代は慌てて、何とか体勢を整えようとするが、いきなりだったので軸線が通らずに、加速術式が暴発して空中に飛んでいるのを見たが、あれならば大丈夫だろうと思い、無視した。
この距離で不発。
となると

「接触型の破砕兵器かい!?」

「Tes.」

返答を答えとし、しかし、そのまま白虎の足が膝蹴りの形に整えられ、朱雀の鳩尾に当て嵌まる部分に激突した。
内部からアクチュエーターなどが破砕される音を聞きながら、至近距離となった三征西班牙の第二特務、江良・房栄の顔を見ることになる。
さっきまで浮かべていた微笑は消え、しかし、代わりに声が口から洩れる。

「これまでの様子を察すると、やっぱり外れかな、と。貴方も知っているよね? この世には神代から引き継がれたり、歴史再現として作られた神格級の武神が幾つもあるけど───」

そんな事は知っていると思い、後ろに下がろうとした地摺朱雀の足を、道征き白虎の足で縫いとめられ、引くことが出来なくなり

「五十年前に起きた三征西班牙の極東歴史再現での旧派の反乱で、反乱軍が何を作ったか知ってる?」

問う理由も中身も知ったし、理解できている。
だからこそ、この話を続けて時間を少しでも稼ぐことが出来ると思い、直政は口を開ける。

「Jud.守護としての武神を四聖に肖って作り、しかし、今でもその内の二機は行方不明って事だろう? ───その内の一機の朱雀の名を冠している事が、そんなに気になるのかい?」

返答はTes.という答えであった。
だが、その声の口調には明らかな落胆が混じっている事に気付いてしまったので、思わず眉を顰める。
だが、その落胆の感情がどこに向けられているのかも、理解してしまったので、再びこっちから言う。

「……四聖武神としての神格術式の山川道澤が出ないから、その表情かい」

「Tes.それぞれ、の四聖武神に備わっている神格術式。本来朱雀はその内の澤が出る筈なんだけど……その様子だとフェイクかな、と……」

その言葉と同時に、縫い付けられている足から光が溢れた。
これは……などとは思わない。
さっきから、話されている言葉から容易に察せられる光である。
道征き白虎は四聖武神。そして、四聖武神にはそれぞれのOSに対応されている神格術式が備えられている。
そして、総長連合の知識として知っている道征き白虎の神格術式は

「山川道澤の内の一つの"道"いかなる状況でも場所でも大道として絶対の足場と回避能力。それが道征き白虎の真骨頂」

道征き白虎の両足の左右に術式表示枠が浮かび上がるのを見て、汗がどっと沸いてしまう。
道の説明が正しいのならば、逃げる事も避ける事もほぼ不可能と思った方がいい。
防御に徹するにも出力差があり過ぎて、耐えるのが難
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