免罪符
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ん!」
「デイダラ……っ! やっぱり生きていたのか……!」
前回戦った時、デイダラは自爆を選んだ。
あっさり倒せたとは最初から思っていなかったが、いざ目の前に現れると、敵意が蘇ってくる。
「オイラの分身を倒した程度で図に乗ってんじゃねえよ、うん」
デイダラは吐き捨てる。
彼の手元には、すでに人形が握られており、軽い小さな煙とともに巨大化。デイダラが乗り物として使っている鳥と同じものが二体、完成する。
鳥たちは羽ばたきとともに、ハルトへ飛来。
「さあ、木端微塵に吹き飛べ! うん!」
「……」
だが、赤い眼のままだったハルトは、そのままソードモードに変形させたウィザーソードガンに力を込める。すると、赤い魔力が銀の表面に現れるほどに注ぎ込まれ、その切れ味が増していく。
「はあっ!」
伸びた刀身のまま、ハルトはウィザーソードガンを横に一閃。二体の鳥を瞬時に切り裂いたそれは、魔力とともに鳥たちを消滅させた。
「生きていたのか……つまり、デイダラが死んだと思っていたんだね」
その声は、パピヨン。
彼はコウスケの攻撃を受け流しながら、口元を大きく吊り上げていた。
「戦いを止めるとか言っていた割には、随分と好戦的じゃないか、偽善者」
「……言わなかったっけ? 戦いたい奴とは戦う。……力加減を誤ることだってあるよ」
「体のいい免罪符だな」
パピヨンは舌で唇を舐める。その足でコウスケの顎を蹴り上げ、その身を地に伏せさせた。
「やはり偽善者だよ、君は。都合一つで救う参加者、救わない参加者を決めているのだからな」
「別に偽善者でも何でもいいよ。戦いを止める説得はするけど、その時間がかかるせいで他の人に危害が加わる可能性があるなら、戦うよ」
ハルトの赤い眼が光る。すると、デイダラが「へえ……」と静かにハルトを睨む。
「お前のチャクラ、人間じゃねえな? どちらかというと、この世界にいる化け物だな。それとも……人柱力みてえなバケモンか?」
デイダラはハルトを見下ろしながら、確認するように頷く。
「ま、どっちにしろオイラの敵じゃねえな、うん」
「デイダラ……アンタ、パピヨンと知り合いだったのか」
「ああ」
デイダラは頷き、パピヨンを見下ろす。
パピヨンもコウスケを引き離し、笑みを張り付けたままデイダラと目を合わせた。
「前に、聖杯戦争の詳細を教えろだのなんだの言って来てな。まあ、お互いに芸術合戦を繰り広げたわけだ。うん」
「アレは中々に、ンンン……蝶☆刺☆激☆的☆」
パピヨンがその長い指を広げ、うっとりとみずからの顎に手を当てた。
背中の蝶の翼を広げ、デイダラと同じ高度へ上昇していく。
「俺も
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