免罪符
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はどうも!」
コウスケはダイスサーベルでパピヨンの手から発射された蝶たち迎え撃つ。斬り伏せ、俗座に闘牛の指輪を発動。三体の牛が、蝶たちを蹴散らしていく。
「コウスケ!」
コウスケの応援に向かおうとするハルトだったが、その腕を祐太が掴む。
「おい、一体何が起こっているんだ!」
「それは……」
ハルトがそれを説明するよりも前に、視界の端で、今度はひなに迫るのに気付く。
「はっ! ひな!」
「危ないひなちゃん!」
だが、香子がひなを抱き飛ばし、転がって鳥から退避させる。同時に爆発した鳥が、香子の右肩を煽る。
「ああっ!」
悲鳴を上げる香子。
彼女の煽られた箇所は爆風により服が焼き切れており、白い素肌に火傷が見られる。
「くっ……」
そして、この場所にいる非参加者は香子たちだけではない。
夕方の保育園は、仕事終わりの保護者が児童を引き取りに来る時間帯であり、その門戸は開いている。つまり、今蝶と鳥が爆発を繰り返している場所のすぐ下は、自由奔放な子供たちが好奇の目で爆発に近づこうとしていた。
職員や保護者は悲鳴を上げて子供たちを引き留めようとするが、そんなことで子供たちは止まらない。
「おい、ハルト……!」
「保育園の近くで戦うのは危険すぎる! 何とかしてパピヨンをここから引き離して! 俺はもう一人の参加者……」
「よう、ウィザード」
その声は、ハルトのすぐ背後から聞こえてきた。
忍び。まさに忍者のごとく、音もなくハルトの背中を取ったのは、黒い衣を身に纏った青年。赤い雲の模様が特徴の衣類と金髪は、忍者とも思えないほど派手な印象を与える。
その者の名は。
「デイダラ……!」
「喝」
静かに。だが、はっきりと。
デイダラはその掌から、白い人形を放る。
ハルト、祐太、香子の中心に浮かび上がる蜘蛛の形をした人形。
それを始めて見た祐太と香子は、理解が追いつかないといった目で。
そしてそれを知るハルトは、鬼気迫る表情でそれを掴んだ。
「このっ……!」
一瞬、ハルトの目が赤くなる。
蜘蛛を掴んだ右手が一瞬だけ変化する。ハルトの人ならざる者の力を部分的に発揮するのと同時に、蜘蛛が爆発する。
ハルトの異形の腕を貫通した衝撃だけが祐太と香子を襲い、二人を転倒させる。
「……っ!」
爆弾を握りつぶし、人間の形になった腕の火傷は、今すぐでも魔力を注げば治療できるが、今はその時間が惜しい。
ハルトは即、デイダラに蹴りを放った。
ひらりとジャンプで避けたデイダラは、そのまま上空に待機させていた大きな鳥の背中に飛び乗る。
「また会ったなウィザード! 折角の戦闘中だ。お前も一緒に芸術を教えてやるよ、う
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