免罪符
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かってくるなど、確かに異能の力を持たない者からすれば恐怖でしかないだろう。空を覆いつくすほどの大群は、そのまま保育園の敷地へ迫る。
だが蝶の群れは、空中であらぬ方向へ方向転換した。一瞬だけ地上近くに下降し、そのまま空中へ滑空していく。
「え?」
ドライバーオンの指輪を作動させていたハルトは、突然の動きに目を丸くした。
そのまま蝶の群れが向かっていく先は、無数の白い鳥。
真っ白で、生物の魂がこもっていない造形の鳥。目元には瞳が入っておらず、黒い空洞だけがあった。
それを見た途端、ハルトは更に顔を強張らせる。
「あれは……!」
蝶の群れと鳥の群れは上空で衝突し、これまた爆発。
爆発に次ぐ爆発により、上空で無数の爆発が続いていく。
「おい、何だよあの鳥……!? あの鳥も爆発すんのか!?」
「あれは……! コウスケ! 今すぐひなちゃんたちをここから逃がして!」
「皆まで言うな! 祐太! 加賀! すぐにここから……」
「お美しいレディ」
突如としてその声は、祐太たちの方から聞こえてきた。
見れば、祐太と香子の間に立っているタイツの変態が、香子の顎に触れていた。
「な、何……!?」
「戦いの時でも、美しい女性というのは必ず我が癒しとなる」
タイツに蝶の仮面。
聖杯戦争の見学者、パピヨン。強烈なビジュアルを持つ相手に、香子は大きくのけ反る。
「逃がしはしないさ」
パピヨンは唇を舐めずり回し、香子に手を伸ばす。
「や、止めろ!」
叫んだ祐太が香子との間に割って入った。両手を伸ばし、自らがパピヨンへの盾になるようにするが、パピヨンはにやりと笑みを浮かべていた。
「離れろ祐太!」
叫んだコウスケがパピヨンへ飛び蹴りを放つ。
手を引っ込めたパピヨンとそのまま取っ組み合い、コウスケは共に地面を転がる。
そのまま置かれていたゴミ箱に激突し、中に詰められていたゴミ袋が宙を舞い、数頭の蝶と衝突。そのまま爆発する。
「やあやあ。ビースト」
見事な身のこなしで着地を繰り返し、パピヨンは自らの顔に手を当てる。
「昨日以来だね。どうやら今日は、サーヴァントとは別行動のようだ」
「てめえ、何しに来やがった!」
ダイスサーベルを向けたまま、コウスケは怒鳴る。
パピヨンは「何」と面に手を当てた。
「このような人や子供が集まる施設というのは、魔力を秘めた人物がいる可能性が高い。詮索してみるのも、参加者の務めというものだろう?」
「狙いは子供たちか……!」
ハルトはウィザーソードガンを向けた。
「それにあの鳥……今も聖杯戦争の真っ最中ってことか」
「形だけはお手本通りの参加者だよ、お前は!」
「ふん……それ
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