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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第九十八話 進攻準備
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犠牲を少なくしたいだけです』
『…分かった、認めよう』
『ありがとうございます。ですが勝てるとは限りませんのでそこはお忘れにならないで下さい』
 

 「ご存知の通り、第一艦隊は既にアムリッツァに向けて先発しております。私の第九、そして第二、第三及び第四、第十の各艦隊は八月一日を以てイゼルローン要塞に向けて進発、九月一日には同要塞に到着、数日の補給と休養の後、アムリッツァに向かいます…作戦の第一段階は以上となりますが、他に質問のある方はいらっしゃいませんか」
ヤマトが会議室を見渡す。質問がない事を確認したヤマトがグリーンヒル本部長を見ると、本部長が続けた。
「皆、ご苦労だった。この会議の内容は秘とする。再出兵が発表されてからというものマスコミがいきり立っているからな。この会議の開催も既に嗅ぎ付けているだろう…もし取材が来たら私に回してもらって結構だ。では、解散とするが、艦隊司令官以上の者は残る様に」
この場に居る艦隊司令官と言えば、司令長官とヤマトを除けばムーア、サレム、ルグランジュ、チュンの四名だ。見ると、四人は硬い表情をしていた。
「気になるけどな、出ていけと言われたんじゃ仕方ない…PX(売店)行こうぜ、オットー」
そう言って肩を竦めて歩くマイクに着いて行く。まあ、残された四人が何を言われるか予想はつくが…。


14:30
ヤマト・ウィンチェスター

 「作戦目的を変更する事になってしまいました。お二人にとっては不本意でしょうが…」
「いえ、お気遣い無用に願います。軍の足並みを乱したのは我々なのですから」
意外にもムーアとルグランジュは素直だった。ホーランドはここには居ない。あいつは元々アムリッツァに居るからだ。最初の幕僚会議も、密かに単身で任地を離れてハイネセンに戻って来て参加していたのだ。自分達が要請した会議での議長の態度を見てバツが悪かったのだろう、そのまますぐにアムリッツァへとんぼ返りしたそうだ…全く、腹の立つ奴だ…。

 「副司令長官、我々が残された理由は…」
アル・サレムが場の雰囲気を読んだのか、気まずそうに切り出した。ここに居る四人…アル・サレム、チュン、ムーア、ルグランジュははっきり言って能力があるのか無いのか、よく分からない御仁達だ。このお歴々に加えてホーランド、と来れば、戦う前から敗けが決まった様なもんだろう。でも艦隊司令官になれたのだから、もしかしたらそこまで酷くはないのかもしれない。特にルグランジュは原作やアニメでもそこまで酷くは描かれてはいなかった。何しろ敗けたとはいえ、ヤンさんとまともに戦えたのだから…チュンはウランフのおっさんが第十艦隊司令官だった時の副司令だ。アニメで頑固そうな顔立ちでウランフを補佐していた。ウランフが副司令に選んだのだから、そう捨てたもんでもないかもしれない。
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