激闘編
第九十八話 進攻準備
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しまいますが、それの意味するところは何だと思いますか?」
「…そうか、帝国軍は兵力を分散配置せねばならなくなる」
「はい、その通りです。帝国軍は同盟と直に繋がる辺境に五個艦隊、中枢部に十個艦隊です。ハーンに我々が進めば、帝国軍はアムリッツァ方面には増援は出せなくなる」
室内のざわめきが驚きと賞賛に変わっていくのが見てとれた。敵の心胆を寒からしめるか…柔らかい脇腹を衝かれるのだ、まさに帝国の肝は冷えるだろう。ヤマトは更に説明を続ける。
「何も各宙域を制圧する必要はありません。我々が進出し、無理のない範囲で暴れまわる…帝国にとっては屈辱です。彼等の言う叛徒共が我が物顔で帝国内で暴れるのですから」
これ程軍事常識を疑う作戦もないだろう。ただ暴れるだけ…だが確実に帝国の支配体制に楔を入れる事が出来る。自暴自棄の様に見えて実に理に叶った作戦だ。
「ビュコック司令長官には第五艦隊と共に国内に残留していただきます。同様にアッテンボロー提督の第十三艦隊も残って貰います。他の各艦隊はカイタルに集結、その後に軍を二つに分けます。まずヴィーレンシュタイン方面。その方面の指揮はヤン提督に執っていただきます。そしてハーン方面。こちらは私が直接指揮します」
更に説明は続く。
ヴィーレンシュタイン方面
第一艦隊:ヤン中将、一万五千隻(方面指揮官)
第七艦隊:マリネスク中将、一万四千隻
第八艦隊:アップルトン中将、一万四千五百隻
第十一艦隊:ピアーズ中将、一万四千隻
第十二艦隊:ボロディン中将、一万三千五百千隻
ハーン方面
第九艦隊:ウィンチェスター大将、一万五千隻(宇宙艦隊副司令長官、方面指揮官)
第二艦隊:ムーア中将、一万五千隻
第三艦隊:アル・サレム中将、一万五千隻
第四艦隊:ルグランジュ中将、一万五千隻
第六艦隊:ホーランド中将、一万四千隻
第十艦隊:チュン中将、一万五千隻
『我々に覚悟が無いと言うのか!』
『政権維持の為に軍を利用するなんて、まるで地球統治時代や銀河連邦末期の様な有様じゃありませんか。とても覚悟のある方の行為だとは思えませんが』
『…戦争の遂行には安定した政権運営が必要不可欠なのだ。君だってそれくらいの事は理解しているだろう?』
『だから政権の安定と兵士達の命を天秤にかけたという訳ですか。小官には議長がご自分の地位や権力を守る為に再出兵を決定したとしか思えません。まあ小官としては作戦の修正が認めていただける事の方が先決なので、これ以上は申し上げたくはありませんけどね』
『そんな態度で作戦の修正が認められると思っているのか!話し合う態度ではないだろう!』
『会議ですから本音を申し上げたまでです、態度は関係ありません…確かに再出兵には反対ですが、やらないと言っているのではありません。やるのであれば
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