激闘編
第九十八話 進攻準備
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も知れない。現政権を支えているのは国内開発に関わる各委員会…と同盟市民は理解しているのだ。まあ、だからこそ議長は三提督の企みに乗ったのかも知れないが…。
「それもあってヤマトがこないだの幕僚会議で議長をけちょんけちょんにしたらしい」
「本当かよ」
マイクは大笑いしそうになるのを必死に堪えている。先日開かれた最高幕僚会議は大荒れだったらしい…。
『そんなに支持率が気になるのであれば議長、最高司令官自ら前線に出られては如何ですか。議長自ら前線で指揮なさる…これこそ文民統制の極致ですよ。全軍の大元帥としてお迎え致します』
『…そんな事が実現可能だと思っているのかね?そもそも私は軍人ではない』
『そうでしょうか。我々軍人は最高司令官である議長、閣下の構想を具現化する為の手段として存在しているのですよ。であれば議長には軍人でなくとも最高司令官として果たさねばならない責務がある筈です。違いますか』
『私は軍部からの提案だと思って採用したのだ』
『違いますよ。軍の方針はアムリッツァの長期持久です。方針に反する作戦案を進言する訳がありません。もし軍部からの提案であればトリューニヒト国防委員長がそう言った筈です。しかしトリューニヒト委員長は反対票を投じました。軍部からの提案でない事は明白でしょう?』
『しかしあの場に居た君等は反対しなかったではないか!』
『最高幕僚会議の開催を要請し議題を提案出来るのは政府閣僚、及び少将以上の将官のみです。ただし、軍部の人間は提案は出来ますが議決権はありません。ですからその場に居たとしても評決には参加出来ないのです』
『そんな無責任な話はないだろう!君等は軍事の専門家なんだぞ!』
『それが民主主義における文民統制というものじゃないですか。我々は専門家ではありますが、幕僚会議の場では我々は助言者に過ぎません。専門家として三提督は議題を提案した。閣下はそれを採用した。それだけです』
『何故提案を阻止しなかったのだね!』
『阻止する理由がありませんから』
『何だって?部下である艦隊司令官達を統制するのはビュコック長官や君の役目だろう!』
『小官もそう考えました、ですが少将以上の将官は開催を要請出来る…となればその権利を制限する事は出来ません。会議自体が軍内部の統制の埒外にあるのです。それに、会議が開催される事を知ったのは、開催が決定された後でした』
『…では改めて反対するという事かね?』
『はい。理由は先程申し上げた通りです。作戦の完遂は非常に困難です。軍事的には正しい作戦案ですが、諸条件が厳し過ぎます。そんな作戦に部下を参加させたあげく犬死させたくはありません』
『だがやってみなくてはわからんだろう、実行する事に意義があるのだ。我々には専制政治の打破という崇高な目的がある』
グリーン
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