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神々の塔
第八十五話 第六天魔王その十二
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「そうするのじゃ」
「それでは」
「そうじゃ、やってみるがよい」
「そうします」 
 綾乃もそれではと応えてだった。
 仲間と共に戦っていった、綾乃は術だけでなく大蛇の八つの頭と巨体にも攻撃させた。そうして信長と戦い。
 次第にダメージを与えていき遂にだった。 
 信長を綾乃の流星の術が直撃し倒した、それでだった。
 あらためて身構えたが信長はそれを見て笑って言った。
「左様、それじゃ」
「勝ってもですね」
「まだ身構える」
 勝った時もというのだ。
「それでよいのじゃ」
「勝っても油断せえへんことですね」
「わしも気を付けておった」
「勝った時こそですか」
「常にな」
 まさにというのだ。
「油断せぬ様にな」
「そうでしたか」
「さもないとじゃ」
 油断しない、そうでなければというのだ。
「やはりな」
「負けますか」
「人は信じてもな」
 それでもというのだ。
「油断はせぬ」
「それは絶対ですね」
「そして酒は多く飲まぬ」
 こうも言ったのだった。
「それもじゃ」
「絶対ですか」
「そこも狙われるであろう」
「はい」
 大蛇が答えた。
「まさに」
「お主は特にわかるのう」
「まさにそれで敗れましたので」
 素戔嗚尊にというのだ。
「神話では」
「酒が好きでな」
「ついついふらふらと飲み」
「酔い潰れてな」
「そこを倒されました」
「酒もよいがな」
 信長は飲めずとも話した。
「過ぎることはじゃ」
「よくない」
「そうじゃ、毎日酔い潰れるだけ飲んでは身体に悪い」
 こうも言ったのだった。
「だから酒はな」
「過ぎぬこと」
「それが大事じゃ、心掛けておく様にな」
「身体の為に」
「そういうことじゃ、そのうえでな」
「これからもですね」
 綾乃が応えた。
「やっていくことですね」
「左様、それでその酒じゃが」
 見ればスピリチュアルは今綾乃が持っている、信長はそうなっていることを見てそのうえで彼女に言った。
「やはり飲むか」
「そうします」
「飲めるのか、その様な酒が」
 信長は綾乃に眉を曇らせて問うた。
「そうなのか」
「はい、うちこれ一本空けられます」
「凄いのう」
「幾らでも飲めますんで」
「ざるか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「言うなら」
「そうか、しかしな」
「それでもですね」
「節度を以てな」
 そのうえでというのだ。
「飲むのじゃ、よいな」
「そうします」
「それではな」
「はい、そうしてやっていきます」
「この世界のこと、頼んだぞ」 
 信長は微笑んで言った、その微笑みは実に優しく温かいものだった。一行はその笑顔を見てやはり彼は言われている通りの人物だと確信したのだった。

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